キャリアコンサルタント国家資格は、厚生労働省が定めるキャリアコンサルタントに関する国家資格試験に合格し、登録する必要があります。
日本の国家資格には次の4種類がありますが、上(業務独占資格)の拘束力が一番強く下へ行くほど拘束力は弱くなります。
・業務独占資格
・名称独占資格
・設置義務資格
・技能検定
それぞれについて説明をします。
・業務独占資格
医師、看護師、診療放射線技師などが該当します。資格を持っている人だけが、独占的にその仕事を行うことができます。
・名称独占資格
キャリアコンサルタント(標準レベル)、栄養士、保育士、保健師、作業療法士などが該当します。資格を持っている人だけが、その名称を名乗ることができる資格です。まぎらわしい名称を用いることも禁止されています。
・設置義務資格
旅行業務取扱管理者、衛生管理者などが該当します。特定の事業を行う際に、法律で設置することが義務づけられている資格です。
・技能検定
キャリアコンサルタント技能士(熟練レベル、指導者レベル)、機械加工、建築大工、ファイナンシャルプランナーなど、128職種に設定されている、国家検定の資格です。仕事上で必要とされる技能の習得レベルを国が認定します。
厚生労働省はキャリアコンサルティング実施のために必要な能力要件を、次のように定めています。
Ⅰ キャリアコンサルティングの社会的意義
1.社会及び経済の動向並びにキャリア形成支援の必要性の理
・技術革新の急速な進展等様々な社会・経済的な変化が強まっていること。
・個人が主体的に自らの希望や適性・能力に応じて、生涯を通じたキャリア形成を行うことが重要になってきたこと。
・キャリア支援の必要性が増してきたこと。
・個々人のキャリアが多様化してきたこと。
・社会的ニーズ、また労働政策上の要請等を背景に、キャリアコンサルタントの活動が期待される領域が多様化していること。
2.キャリアコンサルティングの役割の理解
・キャリアコンサルティングは、職業を中心にしながらも個人の生き甲斐、働き甲斐まで含めたキャリア形成を支援すること。
・個人が自らキャリアマネジメントにより自立・自律できるようになること。
・個人と組織との共生の関係をつくる上で重要なものであること。
・キャリアコンサルティングは、個人に対する相談支援だけでなく、キャリア形成やキャリアコンサルティングに関する教育・普及活動、組織(企業)・環境への働きかけ等も含むものであること。
Ⅱ キャリアコンサルティングを行うために必要な知識
1.キャリアに関する理論
・キャリア発達理論、職業指導理論、職業選択理論等のキャリア開発に関する代表的理論の概要について理解していること。
2.カウンセリングに関する理論
・キャリアコンサルティングの全体の過程においてカウンセリングの理論及びスキルが果たす役割を理解していること。
・来談者中心アプローチや認知行動アプローチ等の代表的なカウンセリング理論の概要(基礎知識)、特徴について理解していること。
・グループを活用した(グループアプローチ)キャリアコンサルティングの意義、有効性、進め方の留意点等について理解していること。
-グループワーク
-グループガイダンス
-グループカウンセリング
-グループエンカウンター
-サポートグループ等
3.職業能力開発(リカレント教育を含む)の知識
・個人の生涯に亘る主体的な学び直しに係るリカレント教育を含めた職業能力開発に関する知識について理解していること。
-職業能力の要素
-学習方法やその成果の評価方法
-教育訓練体系等
-職業能力開発に関する情報の種類、内容、情報媒体、情報提供機関、入手方法等
・ 教育訓練プログラム、能力評価シート等による能力評価、これらを用いた総合的な支援の仕組みであるジョブ・カード制度目的、内容、対象等について理解していること。
(つづく)平林良人