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働き方改革を実行するための関係法律の整備に関する法律2

投稿日:2025年3月19日 更新日:

キャリアコンサルタント国家試験に役立つ法整備について勉強しましょう。働き方改革を実行するための関係法律の整備に関する法律(働き方改革関連法)の2回目です。

前回説明しましたが、働き方改革関連法は、労働者がそれぞれの事情に応じた多様な働き方を選択できる社会を実現する働き方改革を総合的に推進するため、長時間労働の是正、多様で柔軟な働き方の実現、雇用形態にかかわらない公正な待遇の確保等を目的とした法律で、「労働基準法」、「労働安全衛生法」、「労働時間等の設定の改善に関する特別措置法」、「じん肺法」、「雇用対策法」、「労働契約法」、「短時間労働者の雇用管理の改善等に関する法律」、「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律」の8つの労働に関する法律の他に、関連する複数の法律の改正をひとつにまとめたものです。2018年6月に可決、成立し7月に法律公布、改正された関連法律は順次施行されています。キャリアコンサルタントがキャリアコンサルティング業務を行う上でかかわりがある法律の改正を伴うものです。関連する法律の改正内容を規定する、働き方改革関連法を要約して下記します。

  • 働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律

第一条労働基準法の一部を次のように改正する。

第二条じん肺法の一部を次のように改正する。

第三条雇用対策法の一部を次のように改正する。
題名を次のように改める。
労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律

第四条労働安全衛生法の一部を次のように改正する。

第五条労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律の一部を次のように改正する。

第六条労働時間等の設定の改善に関する特別措置法の一部を次のように改正する

第七条短時間労働者の雇用管理の改善等に関する法律の一部を次のように改正する。
題名を次のように改める。
短時間労働者及び有期雇用労働者の雇用管理の改善等に関する法律

第八条労働契約法の一部を次のように改正する。

第十三条健康保険法の一部を次のように改正する。

第十四条職業安定法の一部を次のように改正する。

第十五条次に掲げる法律の規定中「雇用対策法」を「労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律」に改める。

第十六条地方公務員法の一部を次のように改正する。

第十七条厚生年金保険法の一部を次のように改正する。

第十八条社会保険労務士法の一部を次のように改正する。

第十九条高年齢者等の雇用の安定等に関する法律の一部を次のように改正する。

第二十条建設労働者の雇用の改善等に関する法律の一部を次のように改正する。

第二十一条港湾労働法の一部を次のように改正する。

第二十二条育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律の一部を次のように改正する。

第二十三条暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律の一部を次のように改正する。

第二十四条地方公務員の育児休業等に関する法律の一部を次のように改正する。

第二十五条独立行政法人通則法の一部を次のように改正する。

第二十六条公的年金制度の財政基盤及び最低保障機能の強化等のための国民年金法等の一部を改正する法律の一部を次のように改正する。

第二十七条外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律の一部を次のように改正する。

第二十八条厚生労働省設置法の一部を次のように改正する。

上記のように、この法律は多くの法律に関連していますが、先に説明した労働に関する8つの法律についての主な改正点は次のようになります。

1.第一条 労働基準法関係
・フレックスタイム制の拡充
・時間外労働の上限規制
・年5日の年次有給休暇の確実な取得
・高度プロフェッショナル制度の創設
・月60時間超の時間外労働に対する割増賃金率引上げ
・労働条件の明示の方法
・過半数代表者の選任

2.第二条 じん肺法関係
・健康情報の取扱いルールの明確化・適正化

3.第三条 雇用対策法関係
題名改正
労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律
・国による基本方針の策定
・関係機関への要請
・中小企業における取組の推進のための関係者間の連携体制の整備

4.第四条 労働安全衛生法関係
・産業医の独立性・中立性の強化
・産業医等への情報提供の充実・強化
・産業医の活動と衛生委員会等との関係の強化
・労働者からの健康相談に適切に対応するために必要な体制整備等
・労働者の心身の状態に関する情報の取扱い
・産業医等の業務の内容等の周知
・長時間労働者に対する面接指導

5.第五条 労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律関係
・派遣元事業主の派遣労働者に対する不利益な取扱いの禁止
・①派遣先の労働者との均等・均衡待遇、②同種業務の一般労働者の平均的な賃金と同等以上の賃金などの要件を満たす労使協定による待遇、のいずれかを確保することが義務化。

6.第六条 労働時間等の設定の改善に関する特別措置法関係
・勤務間インターバル制度の導入
・取引上の必要な配慮
・労働時間等設定改善企業委員会

7.第七条 短時間労働者の雇用管理の改善等に関する法律関係
題名改正
短時間労働者及び有期雇用労働者の雇用管理の改善等に関する法律
・基本的理念策定
・個々の待遇ごとに、当該待遇の性質・目的に照らして適切と認められる事情を考慮して判断される
・正規雇用労働者との同一条件での差別的な取扱いの禁止
・待遇内容、正規雇用労働者との待遇差などの説明義務の強化
・事業主による短時間・有期雇用労働者に対する不利益な取扱いの禁止

8.第八条 労働契約法関係
・目的規定改正
・第二十条の期間の定めがあることによる不合理な労働条件の禁止を削除

出展 厚生労働省資料https://www.mhlw.go.jp/content/000335765.pdf

(つづく)A.K

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