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キャリアコンサルタント検定試験2 I テクノファ

投稿日:2020年8月1日 更新日:

キャリアコンサルティングという専門的支援が必要となったのは、バブル崩壊があったからです。それまで日本企業においてその成長を支えていたのは年功序列、終身雇用、企業内労働組合であったことは周知のことですが、 それが功を奏したのは、日本と日本の貿易相手国の経済成長が右肩上がりだったからです。右肩上がりの経済成長を前提にした日本企業の経済活動は、バブル崩壊によりその前提が崩れたために、企業は労働者の丸抱えができなくなり、大量解雇や事業の統廃合が始まりました。いわゆるリストラです。その結果、労働者は好むと好まざるとにかかわらず、自分の生き方や働き方は、自分の問題として自分で考えることを余儀なくされました。

それまでの日本社会では、自分の将来は自分で考えることではなく、親が決めること、学校の先生が決めること、あるいは会社が決めることという認識が強かったために、多くの労働者が、自分の生き方や働き方を自分の問題として考えるためには、専門的な支援を必要としたのです。これが、キャリアコンサルティングが生まれた、もっとも大きな背景といえます。日本の労働市場を管理するための制度やメカニズムの多くは、終戦直後の戦後復興期に作られたものが、ほとんどそのまま続いてきました。戦後における労働市場管理の命題は復興でした。その前提は、少ない雇用機会と弱い立場にある労働者の存在でした。その結果、政府主導による労働市場管理となり、欧米に追いつくために量的拡大と質的向上を国の命題として掲げ、国全体が護送船団方式(弱い企業の脱落を防ぐため、経営力や競争力のもっとも劣る企業に合わせて行政官庁が規制、指導、監視して、業界をコントロールすること。もともとは、軍事用語)によって発展してきたといえます。また日本の産業は世界経済の変化による影響を受けやすい海外との貿易によって成長発展を遂げてきました。しかしバブル崩壊により経済成長、発展が崩れたことは日本の経済に様々な影響、変化をもたらしました。

なかでも日本の労働市場に特に大きな影響を与えたものとして以下のような変化が考えられます。

1.経済成長の変化
経済が大きく成長しているときには、全体のパイも大きいので雇用の保障が可能です。採用においては、具体的な仕事上のニーズがなくても先行きに大きな経済成長が期待されていれば、一括大量採用が可能となります。高度成長期においては、文字どおり「仕事は後からついてきていた」のです。このような状態が長期間続いたため、あたかも雇用保障が制度であり、メカニズムであるかのように錯覚してしまいました。しかし、経済成長が鈍ってくると、仕事を保障することが難しくなります。仕事が保障されないと、必然的に雇用も保障できなくなります。

経済成長率の低下によって雇用の保障ができなくなると、一括大量採用の必要性もなくなってきます。逆に、採用者の数を削減しなければならなくなります。また、経済成長率の低下は産業構造の変化をももたらすことになり、 製造業の比率が下がり、サービス業の比率が高まってきます。これは、企業のなかでの事業の統廃合をもたらすことになります。IT関連部門やサービス部門の比率が高くなり、知的労働が増大します。つまり、第3次産業とサービス業およびホワイトカラーが増加することを意味しています。

(つづく) A.K

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