実践編・応用編

キャリアコンサルタントの活動領域2 I テクノファ

投稿日:2020年9月7日 更新日:

キャリアコンサルタントの活動領域―需給調整機関領域
2.需給調整機関領域(就職支援領域―職業相談/紹介サービス)
この領域の公共機関として、ハローワーク、ジョブカフェ、ヤングジョブスポット等があります。
ハローワークでのキャリアコンサルタントの主な仕事は求職者に対する予約制の個別相談支援です。公的機関であるハローワークは、多様な求職者に対応することが求められる等、官民で求められる役割や対象者の層などは異なるところがありますが、総じて、需給調整機関領域においては、 期待されている役割が明確であり、周囲に同僚等がいる場合が多いことから、学習すべきことが明確であり、かつ自主的な勉強会等も行いやすい等比較的学習を続けやすい環境にあるとみられます。

公共の需給調整機関における職業相談/紹介サービスの場合は、いわゆるリストラや定年、あるいは契約終了などによって仕事がなくなってしまったような来談者を対象とする場合が多くなります。しかも、限られた予算と時間などの制約のなかでのキャリア開発・形成支援を行わなければならない状況が想定されます。
さらには、相談業務を専業とすることは少なく、他の日常業務を抱えながらの相談対応となることが多いために、来談者への相談対応の質と量をうまくコントロールすることが大切になります。しかし、このことは手を抜くということではありません。

<具体的な活動例>
①「人間理解」と「仕事理解」を基本に、来談者の「生き方」に合った仕事探しという考え方で支援すること。
②他の付帯業務を抱えながらの相談対応となることが多いために、なるべく短時間で質のよい対応をすること。
→「とりあえずこの程度でいいだろうというスタンスの人」と、「カウンセリングの勉強をしている人」とでは、対応の仕方が違ってきます。質のいい対応とはどういう対応かを吟味しなければなりません。
③求人企業(就職斡旋先)を理解すること。
→自分の目で職場を確かめること。現場を実際に知らなければ責任ある対応ができません。そのためにも、求職相談の担当者が直接求人企業を開拓することが望まれます。
④情報を獲得する努力を怠らず、仕事(職業・業種)についての最低限の知識を持つこと。
→仕事の内容をまったく知らなければ相談対応ができません。
⑤求人企業への指導ができること。
→これは、求人企業に対するコンサルテーションでもあり、また、個人が独力で行わなくとも、チームとして連携してできればよい場合もあります。
⑥すべてを担当者個人だけでは行えない場合は、外部の専門家と連携することができること。
→特に、メンタルな面で課題を抱えている来談者の場合は、専門的な対応が必要になります。その課題が自分で扱えるレベルのものかどうかを的確に判断し、自分が対応できないレベルの場合には専門家にリファーしなければなりません。
⑦的確なマッチングを図るためジョブ・カードの交付のほか職業能力開発の支援と併せ、職業能力評価基準等のツールの積極的・効果的な活用をすること。

一方、民間の需給調整機関としては、人材紹介会社、人材派遣会社、アウトプレースメント会社等があります。
これらの会社におけるキャリアコンサルタントの活動は、公共需給調整機関の場合と基本的には変わりありませんが、紹介先の企業などとの間の営業面の活動がより求められます。民間需給調整機関として、人材紹介業務、再就職支援、派遣登録者の相談支援などが主な仕事になります。およそ需給調整機関領域において期待されている役割は、求人・求職のマッチング、求職者の就職支援であり、キャリアコンサルタントに必要とされる能力については、求職者のニーズを把握する力、求人の実態や労働市場に関する理解、職種・業界に関する知識、労働関係法令の知識等です。これらについての認識は、活用機関、キャリアコンサルタントとも変わらないと思われますが、労働市場に応じた求人開拓や実務経験で得たノウハウが必要な領域です。
例えば、以下のような課題を超えてキャリアコンサルタントの力量をさらに上げていくことが期待されます。「継続学習にかかる費用をどう捻出するか」、「 職業についての知識を広く身に付けるにはどうすればよいか」「 リファー先を確保するためにはどうすればよいか」などです。
(つづく)平林良人

-実践編・応用編

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