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実践編・応用編

日本における電波政策の動向

投稿日:2026年2月2日 更新日:

キャリアコンサルタントの方に有用な情報をお伝えします。

概要
電波は、携帯電話や警察、消防など、国民生活にとって不可欠なサービスの提供などに幅広く利用されている有限・希少な資源であり、国民共有の財産であることから、公平かつ能率的な利用を確保することが必要です。具体的には、電波は、同一の地域で、同一の周波数を利用すると混信が生じる性質があるため、無秩序に利用することはできず、適正な利用を確保するための仕組が必要であるほか、周波数帯によって電波の伝わり方や伝送できる情報量などが異なるため、周波数帯ごとに適した用途で利用することが必要となります。さらに、その出力などによっては国境を越えて伝搬する性質を持つことから、電波利用にあたっては条約などの国際的な取決めや調整を行うことが必要です。

「無線電信及無線電話ハ政府之ヲ管掌ス」とされた旧無線電信法に代わり、電波の公平かつ能率的な利用を確保することによって、公共の福祉を増進することを目的とする電波法が1950年に制定されて以降、我が国では、国民共有の財産である電波の民間活用を推進してきており、今や電波は国民生活にとって不可欠なものになっています。
総務省では、国際協調の下での周波数の割当て、無線局の免許を行うとともに、混信・妨害や電波障害のない良好な電波利用環境のための電波監理、電波資源拡大のための研究開発や電波有効利用技術についての技術試験事務などの取組を行ってきています。

今後の課題と方向性
電波は、5GからBeyond5Gへの進化に代表されるように、次世代モビリティやスマート社会など新たなビジネスの基盤になるとともに、ワイヤレスネットワークは、陸・海・空・宇宙を包含した統合的なものへ発展しつつあります。また、デジタル化の進展に伴い、有線に加えて無線利用が加速しており、ワイヤレス技術の導入がデジタルビジネス成否の重要な鍵となってきています。技術革新が新しいワイヤレスシステムやサービスとして速やかに実装され、経済成長に繋がるよう、電波利用環境を整備していくことが求められています。

そのため、さらなる電波の有効利用を図るべく、あらゆる空間における電波利用の拡大に対応するための非地上系ネットワーク(NTN:Non-Terrestrial Network)等の実現に必要な制度整備や、無線局免許手続等の簡素化・柔軟化・迅速化、急増する電波需要に対応するための周波数の移行・再編・共用の推進などの取組が求められるとともに、自然災害への対応や電波の適正利用確保など、安全・安心な社会の実現に資する取組が求められています。

デジタルビジネス拡大に向けた政策
電波の利用は、技術の進展に伴い、陸・海・空・宇宙などあらゆる空間・あらゆる社会経済活動において普及・進化しており、イノベーション創出の源泉となっています。そのため、電波をデジタル社会の成長基盤として、ビジネスチャンスの一層の拡大に繋げることが重要です。 このような背景のもと、総務省は、2023年11月から「デジタルビジネス拡大に向けた電波政策懇談会」を開催し、デジタルビジネス拡大に向け、電波利用の将来像や、電波有効利用に向けた新たな目標設定と実現方策などについて検討を行い、2024年8月に報告書を取りまとめました。総務省は、同懇談会における議論を踏まえ、総務省が取り組むべき施策を盛り込んだ「WX推進戦略アクションプラン」を策定しました。同アクションプランにおいては、WX(ワイヤレストランスフォーメーション)を推進するため、
①陸・海・空・宇宙などあらゆる空間における電波利用の急拡大への対応
②周波数ひっ迫の中で需要が急増する電波の柔軟な利用のための移行・再編・共用
③インフラとしてのワイヤレスネットワークを安心・安全に、安定して利用できる環境の整備
④デジタルビジネス拡大の源泉となる電波の適正な利用
を確保するための電波利用料制度についての総務省の取組内容を具体化しています。

デジタルインフラ整備
5Gの普及・展開
5Gでは、4Gを発展させた「超高速」だけでなく、遠隔地でもロボットなどの操作をスムーズに行うことができる「超低遅延」、多数の機器が同時にネットワークにつながる「多数同時接続」などの特長を持つ通信が可能となります。そのため、5Gは、あらゆる「モノ」がインターネットにつながるIoT社会を実現する上で不可欠なインフラとして大きな期待が寄せられています。実際に、トラクターの自動運転、AIを利用した画像解析による製品の検査、建設機械の遠隔制御など、様々な地域・分野において、5Gを活用した具体的な取組が進められているところです。

インフラ整備計画2030
2019年4月に初めての5G用周波数の割当てを行って、累次にわたり5G普及を促進するための制度整備や周波数割当て等を実施するとともに、「デジタル田園都市国家インフラ整備計画」において、5G人口カバー率を2023年度末に全国で95%とすること等の目標を掲げ、整備を進めてきました。その結果、2023年度末時点で、5G人口カバー率は全国で98.1%となる等、5Gインフラの着実な整備が進んでいます。
他方、AIの普及等により、モバイル通信量の更なる増加が見込まれる中、通信需要や利活用シーンに応じたメリハリ及び厚みのある5Gインフラの整備や5Gの特長を活かした高度な通信サービスの実現に加え、地域の安全・安心の確保や地域活性化の観点から、人口カバー率の対象外となっている非居住地域を含めた「どこでもつながる」通信環境の確保が課題となっています。

こうした背景を踏まえ、総務省は、前出のデジタルインフラ整備計画2030に基づき、高速・大容量通信を可能とする高周波数帯(サブ・ミリ波)の活用や、多数同時接続や低遅延を活かした通信サービスが可能となる5G SA(Stand Alone)といった新技術等の普及を推進し、道路等の非居住地域であっても通信環境の確保が求められる地域については、多様な手段によるインフラ整備が進んでいる姿を目指すこととしています。また、この計画を達成するための具体的な施策として、新たな5G用周波数の割当て、条件不利地域での5G基地局整備に対する「携帯電話等エリア整備事業」の補助金による支援、税制措置による後押 し、インフラシェアリング推進などに取り組んできています。さらに、地域のニーズに応じたワイヤレス・IoTソリューションを住民がその利便性を実感できる形で社会に実装させていくため、ローカル5Gをはじめとする様々なワイヤレスシステムを柔軟に組み合わせた地域のデジタル基盤の整備と、そのデジタル基盤を活用する先進的なソリューションの実用化を一体的に推進することとしています。

5Gの新たな整備目標
今後の5Gの普及期に向け、5Gならではの携帯電話サービスを利用者に提供するためには、5Gインフラの更なる充実が必要です。このような背景から、総務省は、2024年8月に策定したWX推進戦略アクションプランにおいて、高速大容量通信といった5Gの特長を活かすことができるサブ6やミリ波などの高い周波数帯や、多数同時接続や超低遅延を実現するSA(Stand Alone)といった新技術について、新たな整備目標を設定しました。

Beyond 5G
5Gの次の世代の情報通信インフラ「Beyond 5G(6G)」は、2030年代のあらゆる産業や社会活動の基盤となることが見込まれています。総務省では、2020年6月に「Beyond 5G推進戦略-6Gへのロードマップ-」を、2024年8月に「AI社会を支える次世代情報通信基盤の実現に向けた戦略 – Beyond 5G推進戦略2.0 -」を取りまとめ、5Gの徹底的な普及・活用の促進、トラヒック需要の拡大に対応した周波数確保、無線アクセスネットワーク(RAN)の高度化に向けた取組等を推進しています。

同戦略に基づき、総務省では、オープンな規格を用いた基地局機器の相互接続・運用試験環境の高度化AIを活用したRAN制御の効率化、HAPS(High Altitude Platform Station)に関する技術実証を通じた国内導入に必要な制度整備・HAPS通信の高速大容量化に関する研究開発等を実施しています。 同戦略に基づき、総務省では、オープンな規格を用いた基地局機器の相互接続・運用試験環境の高度化やAIを活用したRAN制御の効率化、HAPS(High- Altitude Platform Station)に関する技術実証を通じた国内導入に必要な制度整備・HAPS通信の高速大容量化に関する研究開発等を実施しています。

また、国際電気通信連合 無線通信部門(ITU-R)は無線通信技術や電波の周波数等に関する国際標準の検討・策定を担っており、このうち、携帯通信を担当し、我が国が議長ポストを確保している第5研究委員会(SG5)5D作業部会(WP5D)では、2030年頃の完成を目標に6Gに係る標準化を進めており、6Gを念頭に利用可能な周波数帯の検討を行っています。総務省は、国内の関係機関・事業者と連携 して、日本寄与文書の入力等を通じて同作業部会における標準化活動を推進しているほか、同作業部会における我が国のプレゼンスの維持・向上のため、同会合を2025年6月に日本で開催する予定です。

関西万博における「Beyond 5G ready ショーケース」
「AI社会を支える次世代情報通信基盤の実現に向けた戦略 – Beyond 5G推進戦略2.0 -」に基づく取組の一環として、大阪・関西万博において、2025年5月26日(月)から6月3日(火)までの間、総務省主催により、Beyond 5Gに関する我が国の取組を世界に情報発信する催事「Beyond 5G ready ショーケース」を開催しました。本催事では、万博に来場される幅広い層の方々を対象に、Beyond 5Gが実現した未来の社会・生活 のイメージについて、リアリティや没入感を重視した体験機会を提供しました。併せてBeyond 5Gに関連する我が国の研究開発や最先端技術の展示を実施し、国際連携や標準化活動での仲間づくりや社会実 装・海外展開等を推進しました。 また、国内外から多くの方々に体験いただけるよう、2025年5月26日(月)から同年10月13日 (月)までの間、会場催事と共通のコンテンツを、WEB上からバーチャル空間で体験可能なバーチャル催事も開催しました。
 
(出典)総務省
https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/r07/pdf/index.html
(つづく)Y.H

-実践編・応用編

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