実践編・応用編

キャリアコンサルタント実践の要領 54 | テクノファ

投稿日:

このコーナーは、テクノファキャリアコンサルタント養成講座を卒業され、現在日本全国各地で活躍しているキャリアコンサルタントの方からの近況や情報などを発信しています。今回はM.Iさんからの発信です。

「フィードバックの効果」
私は様々な講座で「自分のことを話してみる」グループワークを実施しています。
一番の機会は、就職活動中の方々対象の「就活セミナー」です。私は就職活動で結果を出すためのポイントは「自己理解の質」にあると思っていますし、採用面接やグループディスカッションでも、キャリアコンサルタントの方はきちんと自分のことを言葉にしていく必要があります。

最近では、経営者や管理職、総務人事関係の方々向けのキャリア開発支援のための研修でも「自己理解」と「自分のことを話す」ワークを体験していただくことが多く、体験する中で新たな発見や気づきを得ていただける場面もあります。
人は「自分のことを話す」ことで、自らを見つめ直すことにもなり、適切な自己表現の訓練にもなっていきます。そして、ワークでの体験が、より深く本人にとっての新しい可能性への気づきにもつながっていくために欠かせない要素としてほかの参加者からの<フィードバック>があります。

フィードバックは、話し手にとっては、自分の話の伝わり方を確認したり、自分の本当の気持ち・価値観に気づいたり、自分自身に気づいたりできる効果があります。
また、キャリアコンサルタントの方など聞き手にとっては、フィードバックする体験を通して、自分の感情の表し方や聴くことの練習にもなり、自分の自己表現の傾向にも気づくことにつながるようです。

さらに双方にとって、お互いの「違い」に気づくことになりますし、相互理解が深まり、人間関係を作っていく上で大きなステップにもなっていきます。
このように、重要なフィードバックではありますが、実際にグループワークで実践していただくと、「難しい」「どうすればいいかわからない」など戸惑いを感じる方が多くいらっしゃいます。

キャリアコンサルタントの方でも体験の少ない方は難しさを感じることが多いです。適切なフィードバックができるようになるためには、グループワークを何回も体験して練習することが一番なのですが、いくつかコツがあると思っています。

それは、
1)話し手が言いたいことは何か、わかろうとするように聴く
2)話し手の感情に集中し、場面を想像しながら聴く
3)自分が感じたこと、理解したことを、自分の言葉でまとめる
4)自分の気持ちを率直に伝えてみる

といったものです。このようなことを意識しながら、繰り返し体験していくことでフィードバックする力が身に付きます。さらに自分の言葉でフィードバックできるようになると、信頼関係づくりにもつながっていきます。講座参加者の方々には、以上のようなことを伝えながらフィードバックすることを試していただいています。

また、私が実施しているキャリアコンサルタントの方向けの勉強会では、フィードバックの中でも特にパラフレージングについて演習して頂く場面を設け、言葉の選び方や感じたことの伝え方を学び合っていくようにしています。
クライエントの言葉から感じたこと、理解したことを、キャリアコンサルタントの方が自分の言葉で伝え返すことは、クライエントの自己理解を深め、課題解決に向けて進んでいくためには欠かせないことです。

以上のように、人と関わる場面で大切な<フィードバック>について、今後も多くの方々に伝えていき、仕事や生活の中で活用していただけるよう広げていきたいと考えています。

(つづく)M.I

-実践編・応用編

執筆者:

関連記事

キャリアコンサルタント実践の要領 132 | テクノファ

新型コロナウイルス感染症は、私たちの生活に大きな変化を呼び起こしました。キャリアコンサルタントとしてクライアントを支援する立場でこの新型コロナがどのような状況を作り出したのか、今何が起きているのか、これからどのような世界が待っているのか、知っておく必要があります。ここでは厚生労働省の白書からキャリアコンサルタントが知っておくべき情報をお伝えします。これからキャリアコンサルタント養成講座を受けようとする方、キャリアコンサルタント国家試験を受けようとする方、キャリアコンサルタント技能試験にチャレンジする方にもこのキャリアコンサルタント知恵袋を読んでいただきたいと思います。 □ 配偶者からの暴力の増 …

キャリアコンサルタント実践の要領 84 | テクノファ

前回に続き、キャリアコンサルティング協議会の、キャリアコンサルタントの実践力強化に関する調査研究事業報告書の、組織視点を組み込んだキャリアコンサルティングの役割り拡大に対応するスーパービジョンについて説明します。 3.キャリアコンサルタントがカバーする新たな個人に対する支援領域 第二節では、クライアントに対する支援内容が心の悩みや不安に加えて、キャリア開発やキャリア形成が主たる対象領域となってきていることをまとめた。それでは、その領域において、具体的にクライアントに対する支援では、 クライアントのどのような側面に焦点を当てることが必要となるかを論じている。 (1) 元気・一歩の踏み出し、役割り …

キャリアコンサルタント実践の要領 111 | テクノファ

キャリアコンサルティングの社会的意義 キャリアコンサルティングを学ぶ前提 キャリアコンサルタントがキャリアコンサルティングを学ぼうとするとき、日本の産業社会においてはキャリアという言葉も概念も、つい最近まで正しく存在していなかったという点をふまえておかなければならない。キャリアコンサルティングはキャリア開発の支援活動であり、キャリア開発のためのコンサルティングであるが、キャリアコンサルティングを学ぶということは単にキャリアコンサルティングを技法としてとらえるのではなく、キャリアコンサルタントが果たさなければならない役割など、キャリアコンサルティングの前提や背景、あるいは周辺についても正しく理解 …

キャリアコンサルタント実践の要領 121 | テクノファ

キャリアコンサルティングの社会的意義 キャリアコンサルティングを学ぶ前提 キャリアコンサルタントがキャリアコンサルティングを学ぼうとするとき、日本の産業社会においてはキャリアという言葉も概念も、つい最近まで正しく存在していなかったという点をふまえておかなければならない。キャリアコンサルティングはキャリア開発の支援活動であり、キャリア開発のためのコンサルティングであるが、キャリアコンサルティングを学ぶということは単にキャリアコンサルティングを技法としてとらえるのではなく、キャリアコンサルタントが果たさなければならない役割など、キャリアコンサルティングの前提や背景、あるいは周辺についても正しく理解 …

キャリアコンサルタント実践の要領 16 I テクノファ

Aさんの「キャリコンサルタント養成講座」受講奮闘記をお伝えしています。 Aさんは中小企業に勤めている小学生と4歳半の子供をもつ女性ですが、ある事をきっかけに「キャリアコンサルタント」という資格を知りました。厚生労働省の国家資格であること、企業の中で人間関係の相談に乗ってあげる力を付けられることなどを知り、どこかの「キャリコンサルタント養成講座」を受けたいとNetで多くの「キャリコンサルタント養成講座」を調べました。 その結果テクノファの「キャリコンサルタント養成講座」が自分に合うのではないかと思い、3か月にわたる12日間「キャリコンサルタント養成講座」講座を受講することに決めました。決めた理由 …

2022年5月
« 4月    
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
293031