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実践編・応用編

日本国内外におけるICT機器等の動向

投稿日:2026年1月7日 更新日:

キャリアコンサルタントの方に有用な情報をお伝えします。

市場規模
世界のネットワーク機器の出荷額は、2017年以降増加傾向にありますが、2024年は1,077億ドル(前年比10.1%減)となっています。内訳をみると、携帯基地局と企業向けスイッチが中心となっています。日本のネットワーク機器の生産額は、2000年代前半から減少傾向で推移していましたが、2018年以降は緩やかに増加しています。その後、2021年に再び減少に転じましたが、2024年は増加して6,616億円となっています。内訳をみると、固定電話から携帯電話・IP電話への移行に伴って電話応用装置、交換機などが減少しており、現在は無線応用装置、搬送装置及びその他の無線通信機器の規模が大きくなっています。また、基地局通信装置は増減の波が大きく、4G向けの投資が一巡した2016年以降は低迷が続いていましたが、2020年から増加に転じた後に2022年以降は減少が続いています。IP通信に使用されるネットワーク接続機器は2019年から増加に転じましたが、2021年から2022年は減少しました。その後、2023年でいったん増加しましたが2024年はまた減少しました。

 2024年の世界の5G基地局(マクロセル)の市場規模(出荷額)は249億ドル(前年比15.2%減)となり、日本では17億ドル(前年比25.7%減)となっています。両市場ともにピークアウトが見られるものの、引き続き高水準を維持するものとみられます。また、2024年の世界の5G基地局(マクロセル)のシェア(出荷額)は、首位がHuawei(31.0%)、2位がEricsson(26.6%)、3位がNokia(18.1%)でした。このように、5G基地局(マクロセル)の市場(出荷額)では、海外の主要企業が高いシェアを占め、日本企業の国際競争力は低い状況にあります。
他方で、日本企業は、携帯基地局やスマートフォンなどに組み込まれている電子部品市場(売上高)では、2023年時点で世界の33%のシェアを占めると見込まれており、Beyond 5Gに向けた潜在的な競争力は有していると考えられます。

端末市場
世界の情報端末の出荷額は、2024年は6,007億ドル(前年比6.9%増)でした。内訳をみると、スマートフォンとPCが中心となっています。日本の情報端末の生産額は、2000年代に比べると大きく減少しています。2020年以降は1兆円前後で横ばいの推移となっており、2024年は1兆920億円でした。内訳をみると、携帯電話・PHSが2010年代中盤までは大きかったが、その後縮小し、現在はデスクトップ型PC、ノート型PC、情報端末が中心となっています。

スマートフォン(5G対応)
世界の5G対応スマートフォンの出荷台数は、2022年は9憶3,853万台であり、スマートフォン全体(13億1,802万台)の71%を占めています。5G対応スマートフォンの出荷台数は今後も拡大することが見込まれ、2030年には15億6,94万台まで拡大すると予測されています。 5G対応スマートフォンの国内出荷台数は2023年度で2,505万台(前年度比12.4%減)となっています。

4K・8Kテレビ
国内の4K対応テレビ(50型以上)の2023年の出荷台数は243万台(前年比10.3%減)、新 4K8K衛星放送対応テレビの2023年の出荷台数は257万台(前年比10.4%減)であり、双方とも出荷台数に落ち着きがみられます。

輸出入の動向
各国におけるICT機器・端末の輸出入については、国際連合貿易開発会議(以下「UNCTAD」) 「UNCTAD STAT」によると、日本では2010年以降輸入超過が続いており、2023年は、輸出額は549億ドル(前年比9.9%減)、輸入額は943億ドル(前年比6.9%減)で、394億ドルの輸入超過(前 年比2.4%減)となっています。また、2023年には、米国では2,272億ドルの輸入超過(前年比17.7%減)、中国では2,069億ドルの輸出超過(前年比2.6%減)となっています。

半導体市場
世界の半導体市場(出荷額)は、2024年には906億ドル(前年比4.7%減)となっています。内訳をみると、ディスクリート半導体が最も多くなっています。2013年からの伸び率が最も高い画像センサーについては、日本企業(ソニーセミコンダクタソリューションズ)が51.1%のシェアを占めています。 日本の半導体市場(出荷額)は、2018年から減少していたものの2021年から増加に転じ、 2023年に再び減少に転じ、2024年には66億ドル(前年比6.5%減)となっています。内訳をみると、世界市場と同様に、ディスクリート半導体が最も多くなっています。

プラットフォームの動向
ICT関連市場における主要プレイヤーを時価総額に基づいて、2024年3月時点と2025年3月時点 を比較すると、AppleがMicrosoftを抜き首位となっています。引き続き米国GAFAMが上位となっている中、好調な業績に加えて生成AI向けの半導体需要拡大が好感され、NVIDIAが2位に浮上しています。 2024年は11位だったSamsung Electronics(韓国)は15位圏外となり、その一方でメディア・ソフ トウェア関連企業が株式市場での評価を向上させています。世界を代表する米中の主なプラットフォーム事業者の売上高の推移をみると、多くの企業は引き続き売上高が拡大しているものの、AppleやAlibaba、Baiduは伸び悩みがみられます。

米中の主要なプラットフォーム事業者は、それぞれの強みを活かし、生成AIを活用したサービスの強化を図っています。特に生成AIに関する開発については、複数のプラットフォーム事業者が力を入れており、今後様々な場面で生成AIが活用されることが見込まれます。

ICT及びコンテンツ・アプリケーションサービス
SNS
世界のソーシャルメディア利用者数は、2024年の41.1億人から2029年には58.7億人に増加すると予測されています。テキストによるコミュニケーション用途だけではなく、ショート動画の視聴といった用途での利用も増えています。

EC
世界のEC市場の売上高は、引き続き増加傾向で推移し、2024年の7.2兆ドルから2028年には10.4 兆ドルまで拡大すると予測されている。国別の2024年から2029年までの年平均成長率は、トルコ、 ブラジル、インド、メキシコ等が高い一方、日本、米国、ドイツ等は世界平均を下回るものと予測されており、韓国は特に低い成長率になると予測されています。

検索サービス
デスクトップの検索サービスの世界市場はGoogleが高いシェアを誇っているものの、近年は徐々に低下し2024年12月時点では79.1%となっています。一方、Bingのシェアが拡大傾向であり、2024年 12月時点では11.9%と二桁のシェアまで拡大しています。Microsoft社のブラウザ「Edge」がデフォル トの検索サービスとしてBingを設定しており、これもBingのシェア拡大に貢献していると考えられます。 日本では、2024年12月時点のパソコン、スマートフォン並びにタブレットにおいて、いずれも Googleが7割以上を占め最も高いシェアを誇っています。また、パソコンではBingのシェアが12%程度、スマートフォンやタブレットではYahoo!のシェアが1%未満となるなど、端末毎の傾向の差も見られます。

動画配信等
世界の動画配信・音楽配信・電子書籍市場は、定額制サービスの普及や新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴う在宅時間の増加などにより取り込んだ需要を維持・拡大しており、2024年には合計で 1,803億ドル(前年比12.1%増)となっています。また、2024年の日本の動画配信市場は5,930億円(前年比3.3%増)、音楽配信市場は1,233億円 (前年比5.8%増)、電子書籍市場は5,660億円(前年比5.8%増)となっており、世界の動向と同じく、いずれの市場も成長しています。

自動運転
自動運転については、地方自治体や民間企業による社会実装及び大学や民間企業における研究開発により、レベル4(特定条件下における完全自動運転)の実現に向けた取組が進んでいます。AI技術を用いる仕組みへとシフトしつつあるとともに、詳細なルールが記述できる従来のロボット工学的なアプローチを統合したハイブリッドフレームワークの開発も進んでいます。 世界の自動運転の市場規模は、2024年に400億ドルを超え、2029年には約1,100億ドルの規模に達すると予測されています。

メタバース
世界のメタバース市場は、2024年の744億ドルから2030年には5,078億ドルまで拡大すると予測されています。内訳はメタバース内でのeコマースが最も大きく、次いでゲーム、ヘルス&フィットネスとなっています。市場を牽引するのは、メタバースを楽しむためのハードウェアではな く、主に消費者向けのメタバースサービスだといえます。 日本のメタバース市場(メタバースプラットフォーム、コンテンツ、インフラ、メタバースサービスで利用されるXR(VR、AR、MR)機器の合計)は、2024年度に2,750億円(前年度比47.6%増)となる見込みで、2028年度には1兆8,700億円まで拡大すると予測されています。今後は、XRデバイスの進展やAI技術の発展、メタバースの認知向上などによって市場が拡大することが期待されています。

ロボット
ロボットは、多種多様な種類があり、産業、家庭、医療、エンタメ等様々な分野で利用されています。特にAI技術の応用により、更に高度なロボットの登場が期待されています。世界のロボット市場は、2022年に341億ドルでしたが、2028年には451億ドルに増加すると予測され、2022年から2028年の年平均成長率(CAGR)は4.8%です。内訳をみると、サービスロボットは2022年に257億ドルから2028年には347億ドル(CAGRは5.1%)、産業用ロボットは 2022年の83億ドルから2028年には104億ドル(同3.8%)に増加する見込みです。2016年からの市場規模の推移をみると、サービス用ロボットが市場全体の成長を牽引しているといえます。

(出典)総務省
https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/r07/pdf/index.html
(つづく)Y.H

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