実践編・応用編

キャリコンサルタント実践の要領 61 | テクノファ

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キャリアコンサルタント実践の要領58」に続きキャリアコンサルティング協議会の、キャリアコンサルタントの実践力強化に関する調査研究事業報告書の、スーパービジョンのモデル実施及びアンケート・実施報告書の分析の部分の、キャリアコンサルティングの効果に係るアンケート(スーパーバイジー:キャリアコンサルタント)の結果から記述します。

②キャリアコンサルティングの効果に係るアンケート(スーパーバイジー:キャリアコンサルタント)の結果

スーパービジョンのモデル実施に係るアンケートに基づき、スーパーバイジー(キャリアコンサルタント)の回答に関して結果を示す。

本集計結果を理解する上で、以下の点に留意する必要がある。今回のスーパーバイジーのキャリアコンサルタントとしての経験年数は1年未満が4人(17%)、 1年以上3 年未満が10人(42%)、 3年以上5年未満が2人(8%). 5年以上が8人(33%)であり、 比較的経験が少ない者、すなわち初心者段階に近い者の比率が高い。また、今回実施されたスーパービジョンにおけるスーパーバイザーとスーパーバイジーとの関係は、約8 割が今回のスーパービジョンで初めて構築されたものであった。スーパービジョンは本来、スーパーバイジーの育成を目的とした活動であるため、ある一定の期間にわたる関係を前提として、スーパーバイジーの発達段階に応じて取り組むべき課題を明確化していく過程を含み、スーパービジョンで扱われる課題は変化・深化していく。したがって、 今回報告する結果は、あくまでも限られた条件下で行われたスーパービジョンにおける結果であることを理解することが必要である。

②―1今回のスーパービジョン実施前の自身の現状認識
スーパービジョンのモデル実施に係るアンケート(スーパーバイジー:キャリアコンサルタント用)内の、「今回のスーパービジョン実施前の自身の課題認識」15項目について、平均値を計算した。回答は、「1:うまくいっていない、2:あまりうまくいっていない、3:どちらでもない、4:ややうまくいっている、5:うまくいっている」の5件法で求めた。つまり、平均値が高いほど「うまくいっている」と認識している。

実施前の平均値が最も高い課題は関係構築(4.00)であり、倫理(3.79)、学習能力・学ぶ姿勢(3.63)、問題把握(3.54)、自己理解(3.33)が続いた。

キャリアコンサルタントとしての課題は4つに区分されるため、区分毎の平均値と標準偏差(SD)も計算した。区分毎の平均値は、自己評価(3.49)、カウンセリング・スキル(3.32)、カウンセリングのプロセス評価(2.83)、ネットワーク・組織への働きかけ(2.56) の順に高い結果であった。

②―2今回のスーパービジョンに期待していたこと
スーパービジョンのモデル実施に係るアンケート(スーパーバイジー:キャリアコンサルタント用)内の、「スーパービジョンに期待していた事」15項目は期待していた項目に〇をつけるよう回答を求めた(複数回答可能)。選択した人数と、選択した人数の割合を計算した。

期待していた事の選択人数割合が最も高い課題は介入・介入評価(79%)であり、目標・方策の設定(71%)・プロセス構築(71%)、自己理解(67%)が続いた。

(つづき)木下 昭

 

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