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実践編・応用編

他人事といった麻痺的な感覚に違和感を覚える

投稿日:2026年3月28日 更新日:

このコーナーは、テクノファキャリアコンサルタント養成講座を卒業され、現在日本全国各地で活躍しているキャリアコンサルタントの方からの近況や情報などを発信しています。今回はS.Sさんからの発信です。

先日、ある記事を見つけた。

「これでいいのか、現代社会」と題された記事の内容は、JR山手線で起きた人身事故において、多数の野次馬がホームに押し寄せ、スマホを片手にシャッターを切っていたという異様な光景に対するものだった。しかも、笑顔で撮影している者も多数いたという。

これが事故なのか、または自殺による飛び込みなのかは定かではないが、いずれにしても仮にも人の命がかかっている現場にもかかわらず、まるでを覚え他人事といった麻痺的な感覚に違和感ずにはいられない。

さて、これでいいのか、よくないのか・・という以前に、こういった行動の背景にある心情には「撮った写真を誰かに見せよう・・とか、SNSでシェアしたい」という意味で、単なる記録に留まらず、自分が周囲に提供できる話題の一つにしようという無意識かつ反応的な思惑がある。

おそらく「事故現場なう」とでも題してフェイスブックやミクシイにでも投稿するつもりなのだろう。もし、僕のこの解釈が当たっているのだとすれば、このような現象は多くの者が対象を自分たち以外のモノや人に向ける共有を「つながり」だと錯覚しているからに他ならない。

関わり的な「つながり」を持とうとする人は、独りぼっちに対する何らかの怖れや不安を回避したい気持ちが根底にあるのではないだろうか。孤立して不登校になった子が望む職種の第一位が「アニメの声優」や「お笑い芸人」であったり、または「パテシエ」であったりするのは、こうした「つながるために必要なネタ」を提供する側として自分が持っていることへの憧れなのだろう。

だが、真に他者とつながるためには、同じものを見て「一緒だね」と感じるための「会話」などではなく、両者が自分にとっての世界観(私は、こう感じている。こう思っている。)を自由に開示し合えるような「私とあなただからこそ成立する対話」でなくてはならない。

しかしそれは、他者との関係以前に、先ず自分自身と対話ができていて、自分というものをよく知っていてこそである。孤独を寂しく感じる人は、おそらく本質的な自己とのつながりが実感できていないと考えられる。つまり、物理的に誰かと一緒の空間に居たり、同じものを観たり、食べたり、または電話をしていたりといった具合に、他者との共有こそが寂しさを埋めてくれる「つながり」だと錯覚しているからこそ、常に意識が外側に向いており、なかなか自分自身の内側には向かないのである。

自分自身と向き合い、自己との対話ができる者にとって孤独はけっして不快なものではなく、むしろ平和で落ち着けるものである。物理的な孤独だけではなく、集団内における孤独もまた同様である。孤独を選べない者は、集団内にいても周囲の顔色を気にして安堵感など得られない。

(※:「孤独」と「孤立」を混同しないでね。そこには自分がそれを選択しているという主体的な意味が含まれています。)

孤独と孤立の違い

このことを理解せずに既に依存症となっている「LINEをやめよう」とか、「SNSやメールに使っている時間を減らそう」と言っても、やめられるわけがないのだ。独りになれるためのトレーニングをしなければ、この先もずっと誰かとつながるために、大切なはずの時間を浪費し続けることになるだろう。

(つづく)S.S

-実践編・応用編

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