Aさんの「キャリコンサルタント養成講座」受講奮闘記をお伝えしています。
Aさんは中小企業に勤めている小学生と4歳半の子供をもつ女性ですが、ある事をきっかけに「キャリアコンサルタント」という資格を知りました。厚生労働省の国家資格であること、企業の中で人間関係の相談に乗ってあげられる力を付けられることなどを知り、どこかの「キャリコンサルタント養成講座」を受けたいとNetで多くの「キャリコンサルタント養成講座」を調べました。
その結果テクノファの「キャリコンサルタント養成講座」が自分に合うのではないかと思い、3か月にわたる12日間「キャリコンサルタント養成講座」講座を受講することに決めました。決めた理由は16年の「キャリコンサルタント養成講座」の歴史と「組織と個人の共生」ということにありました。
さあ、3,4日目の合宿になりました。
Aさんはテクノファから指定された東京近郊の合宿所に向かうため1泊2日の身支度をしました。着るものは日常着、できればジャージーみたいなものということなので、ラフな運動着に近い服で参加しました。
【3,4日目合宿】
キャリア開発ワークショップ(CDW)は、横山先生と今野先生が始められた個人が自分に向き合う機会です。
合宿場に着いたAさんは、何が始まるか期待と不安を心に抱きながら合宿のオリエンテーションの会場に入りました。
キャリア開発ワークショップという名前で、2日間の合宿研修が始まります、と書きましたが、通常の研修とは全く異なるワークショップを中心とした合宿が2日間進行しました。ワークショップという名称から、受講者皆さんが何かのテーマに則って議論をして解を見出す、というようにお考えになる方もいらっしゃるかもしれませんが、このCDWのワークショップはそのようなものとは全く違い、参加の一人ひとりが自分というものをじっくりと見直す2日間になります。
忙しい日常生活の中で、ついつい疎かになりがちな自分自身という者、自部の現状及び将来についての講師のガイドに沿って自分自身と対話をしていきます。
あっという間に2日のCDWは終わりました。12日間の中でも一番のハイライトであるCDWが終わり、2週間の間をおいて、5日目が始まります。5日目はCDWのフォローに充てられて、次のカリキュラムは6日目から始まりました。
【6日目 キャリア・ガイダンス】
6日目は、世の中の実情を踏まえて、各種の言葉や法体系等について学びます。最初は、「キャリアコンサルティング 理論と実際」木村周著(一般社団法人 雇用問題研究会)を使用して、まずはキャリア・ガイダンスという言葉の説明を受けます。本講座はキャリアコンサルタント養成講座と銘打っていますが、キャリア・ガイダンスという言葉は学校教育の世界などで広く使われています。学校における進路指導から職業指導がキャリア・ガイダンスとされていますが、学校教育だけでなく、職業安定行政においても職業指導は行われています。よって、キャリア・ガイダンスに関する定義を整理すると、キャリアに関するガイダンスであり、「個人が職業やキャリアを選び、準備し、就職しその中で効果的に機能するよう援助するプロセス」と定義することができます。それは個人の発達に応じて生涯を通じて繰り返され、継続されるものとして捉えていただくことになります。
【6日目午後 メンタルヘルス】
午後はガラッと変わってメンタルヘルスについて学びます。なぜキャリアコンサルタント養成講座でメンタルヘルス?と思われるかもしれませんが、メンタルヘルスはすべての人の問題です。クライエントがもし心の病気になりかかっているような状況であれば、どのような対処が必要か、またそのようなクライエントの状態を見抜く力量が必要です。
世の中の情勢として、2015年に従業員50名以上の会社にとっての義務づけられた労働安全衛生法の一部改正される形で導入されたストレスチェック法案により、ますますメンタルヘルスについて深い理解がキャリアコンサルタントにも求められています。
講座ではまずはメンタルヘルスの現状についての理解を深めることから入ります。労働時間、睡眠時間との関係や、日本における訴訟の歴史に始まり、ストレスと生産性について、を学びます。そして、ストレスマネジメントのコツを学んでいきます。これらはキャリアコンサルタントとしての力量獲得につながるだけでなく、セルフチェックにもつながることになります。
その上で、うつ病について学んでいきます。キャリアコンサルタントはうつ病の方のコンサルティングをしてはいけません。クライエントがそのような状態であることの見分け方、対処の仕方を学びます。そしてもう一つ、支える人(キャリアコンサルタント)が陥りやすい傾向について学びます。熱心に対応すればするほど陥りやすい状態を理解し、セルフケアの重要性を改めて認識していきます。
後半は事例研究です。メンタルヘルスの観点で問題を抱えていると思われるクライエント事例を取り上げます。複数事例を取り上げながら、最近の世情を踏まえた問題を皆で考える貴重な時間になると共に、キャリアコンサルタントが決して簡単に取り組める仕事ではないことも感じられる時間になるでしょう。だからこそより深く学ぼうという意欲を持つことができると思います。
(つづく)T.A