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キャリアコンサルタント国家試験合格 50 | テクノファ

投稿日:2021年3月30日 更新日:

今回は働き方改革関連法により改正された労働法関係の法律の改正項目を、キャリアコンサルタントが知っていた方がよいという観点から法律毎に回を分けて説明します。
キャリアコンサルタントのキャリアコンサルティング業務に係る働き方改革で、働き方改革関連法で改正された「短時間労働者の雇用管理の改善等に関する法律」の改正項目を説明します。

  • 短時間労働者の雇用管理の改善等に関する法律(題名改正、短時間労働者及び有期雇用労働者の雇用管理の改善等に関する法律)

改正項目題名が、短時間労働者及び有期雇用労働者の雇用管理の改善等に関する法律に改正された。
短時間・有期雇用労働に対する基本的理念が新設された。
短時間労働者から、短時間・有期雇用労働者に改正された。
就業規則の作成変更時に職場代表者の意見を聴くよう努めることが新設された。
有期雇用労働者に対して、通常の労働者との間の待遇の相違の内容及び理由の説明を求められたことに対して、解雇その他不利益な取扱いをしてはならないことが新設された。

下記条文のアンダーラインは働き方改革関連法により新設された条文、および影響ある変更のあった条文です。

 短時間労働者及び有期雇用労働者の雇用管理の改善等に関する法律

(目的)
第一条 この法律は、我が国における少子高齢化の進展、就業構造の変化等の社会経済情勢の変化に伴い、短時間・有期雇用労働者の果たす役割の重要性が増大していることに鑑み、短時間・有期雇用労働者について、その適正な労働条件の確保、雇用管理の改善、通常の労働者への転換の推進、職業能力の開発及び向上等に関する措置等を講ずることにより、通常の労働者との均衡のとれた待遇の確保等を図ることを通じて短時間・有期雇用労働者がその有する能力を有効に発揮することができるようにし、もってその福祉の増進を図り、あわせて経済及び社会の発展に寄与することを目的とする。

(定義)
第二条 この法律において「短時間労働者」とは、一週間の所定労働時間が同一の事業主に雇用される通常の労働者(当該事業主に雇用される通常の労働者と同種の業務に従事する当該事業主に雇用される労働者にあっては、厚生労働省令で定める場合を除き、当該労働者と同種の業務に従事する当該通常の労働者)の一週間の所定労働時間に比し短い労働者をいう。

2 この法律において「有期雇用労働者」とは、事業主と期間の定めのある労働契約を締結している労働者をいう。
 この法律において「短時間・有期雇用労働者」とは、短時間労働者及び有期雇用労働者をいう。

(基本的理念)
第二条の二 短時間・有期雇用労働者及び短時間・有期雇用労働者になろうとする者は、生活との調和を保ちつつその意欲及び能力に応じて就業することができる機会が確保され、職業生活の充実が図られるように配慮されるものとする。

(事業主等の責務)
第三条 事業主は、その雇用する短時間・有期雇用労働者について、その就業の実態等を考慮して、適正な労働条件の確保、教育訓練の実施、福利厚生の充実その他の雇用管理の改善及び通常の労働者への転換の推進に関する措置等を講ずることにより、通常の労働者との均衡のとれた待遇の確保等を図り、当該短時間・有期雇用労働者がその有する能力を有効に発揮することができるように努めるものとする。

(労働条件に関する文書の交付等)
第六条 事業主は、短時間・有期雇用労働者を雇い入れたときは、速やかに、当該短時間・有期雇用労働者に対して、労働条件に関する事項のうち労働基準法第十五条第一項に規定する厚生労働省令で定める事項以外のものであって厚生労働省令で定めるものを文書の交付その他厚生労働省令で定める方法により明示しなければならない。

(就業規則の作成の手続)
第七条 事業主は、短時間労働者に係る事項について就業規則を作成し、又は変更しようとするときは、当該事業所において雇用する短時間労働者の過半数を代表すると認められるものの意見を聴くように努めるものとする。

 前項の規定は、事業主が有期雇用労働者に係る事項について就業規則を作成し、又は変更しようとする場合について準用する。この場合において、「短時間労働者」とあるのは、「有期雇用労働者」と読み替えるものとする。

(不合理な待遇の禁止)
第八条 事業主は、その雇用する短時間・有期雇用労働者の基本給、賞与その他の待遇のそれぞれについて、当該待遇に対応する通常の労働者の待遇との間において、当該短時間・有期雇用労働者及び通常の労働者の業務の内容及び当該業務に伴う責任の程度、当該職務の内容及び配置の変更の範囲その他の事情のうち、当該待遇の性質及び当該待遇を行う目的に照らして適切と認められるものを考慮して、不合理と認められる相違を設けてはならない。

(通常の労働者と同視すべき短時間・有期雇用労働者に対する差別的取扱いの禁止)
第九条 事業主は、職務の内容が通常の労働者と同一の短時間・有期雇用労働者であって、当該事業所における慣行その他の事情からみて、当該事業主との雇用関係が終了するまでの全期間において、その職務の内容及び配置が当該通常の労働者の職務の内容及び配置の変更の範囲と同一の範囲で変更されることが見込まれるものについては、短時間・有期雇用労働者であることを理由として、基本給、賞与その他の待遇のそれぞれについて、差別的取扱いをしてはならない。
(つづく)木下 昭

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