キャリアコンサルタントの知恵袋 | 株式会社テクノファ

実践に強いキャリアコンサルタントになるなら

国家試験

柔軟な働きかたをかなえる制度・施策について

投稿日:2026年1月21日 更新日:

前回までは働き方改革関連法により改正された法律を中心に働きかた改革推進について説明しましたが、今回は、キャリアコンサルタントがキャリアコンサルティングを行う上で係りのある働きかた改革を推進する多様で柔軟な働きかたをかなえる制度・施策について副業・兼業の促進を説明します。

副業・兼業の促進
厚生労働省のホームページより 05.pdffを参考に説明します
厚生労働省では、「働き方改革実行計画」(平成29年3月28日働き方改革実現会議決定)を踏まえ、副業・兼業の普及促進を図るため、副業・兼業の促進に関するガイドラインを作成し(平成30年1月)、さらに企業も働く人も安心して副業・兼業を行うことができるようルールを明確化するため、令和2年9月にガイドラインを改定しました。

働きかた改革になぜ副業・兼業かということについてですが、副業・兼業は、新たな技術の開発、オープンイノベーションや起業の手段、そして第2の人生の準備として有効とされており、また人生100年時代を迎えて、若いうちから、自らの希望する働き方を選べる環境を作っていくことが必要であり、それを実践することができる副業・兼業などの多様な働き方への期待が高まっています。

ガイドラインでは副業・兼業を行うことについて、二つ以上の仕事を掛け持つことを想定しています。
-企業に雇用される形で行うもの(正社員、パート・アルバイトなど)
-自ら起業して事業主として行うもの
-コンサルタントとして請負や委任といった形で行うもの
など、さまざまな形態があります。

既に会社で働いている人が、副業・兼業を行うことが可能かどうかは会社によって異なります。就業規則や労働契約を確認し、副業・兼業を行うことが可能かどうか、副業・兼業を始めるためにどのような手続が必要かを確認する必要があります。

副業・兼業を禁止している企業や一律許可制にしている企業がありますが、労働者が労働時間以外の時間をどのように利用するかは、基本的には労働者の自由であるとされており、ガイドラインでは企業は原則、副業・兼業を認める方向で就業規則などの見直しを行い、労働者が副業・兼業を行える環境を整備するよう検討することが適当としています。

副業・兼業を取り入れるメリットと留意点について
副業・兼業を行うことのメリットは、働く人の状況によっていろいろありますが、以下のようなものが考えられます。
-離職せずとも別の仕事に就くことが可能となり、スキルや経験を得ることで、主体的にキャリア形成ができる。
-既に行っている仕事の所得を活かして、自分がやりたいことに挑戦でき、自己実現を追求できる。
-所得が増加する。

メリットの一方で、注意すべき留意点として、以下のようなものが考えられます。
-就業時間が長くなる可能性があるため、自身による就業時間や健康の管理も一定程度必要である。
-副業・兼業によって既に行っている仕事に支障が生じないようにすること。
-既に行っている仕事と副業・兼業それぞれで知り得た業務上の秘密情報を漏らさないこと。

次に副業・兼業を進める上で必要になる対応について
1.副業・兼業を認めるにあたって
STEP1 就業規則等の整備
〇 副業・兼業を禁止や一律許可制にしている企業は、副業・兼業を認める方向で就業規則等を見直すことが望ましい。
〇 就業規則等の見直しにあたってのポイントは、以下のようなことが考えられます。
-副業・兼業を原則認めることとすること
-労務提供上の支障がある場合など、例外的に副業・兼業を禁止または制限することができるとされている場合を必要に応じて規定すること
-副業・兼業の有無や内容を確認するための方法を、労働者からの届出に基づくこととすること

〇 副業・兼業に伴う労務管理を適切に行うためには、届出制など副業・兼業の有無・内容を確認するための仕組みを設けておくことが望ましい。
〇 副業・兼業に関しては、
-労働者の心身の健康の確保、ゆとりある生活の実現の観点から法定労働時間が定められている趣旨も踏まえ、長時間労働にならないようにすること
-労働基準法や労働安全衛生法による規制等を潜脱するような形態等で行われる副業・兼業は認められず、就労の実態に応じて、労働基準法や労働安全衛生法等における使用者責任が問われること
-労働者が副業・兼業に係る相談・自己申告等をしやすい環境づくりが重要であり、労働者が相談・自己申告等を行ったことにより不利益な取扱いはできないことに留意することが必要です。

キャリアコンサルタントが知っていると良い多様で柔軟な働きかたをかなえる制度・施策についてお話ししました。
(つづく)A.K

-国家試験

執筆者:

関連記事

キャリコンサルタント国家試験合格2

キャリアコンサルタント国家試験合格の続きです。 【試験結果を受け取って】 さあそしていよいよキャリアコンサルタント国家試験の合格発表の日。 まずはウェブサイトで発表がある。それなりの緊張感の中、サイトを見ると、筆記試験と実技試験で分かれている。 まずは筆記試験。これは自己採点で極めてギリギリながら大丈夫と判断しているのでそれほど心配なくPDFを開いていく。無事自分の受験番号を発見。 そして実技。さあこちらはと思って別のPDFファイルを開いていく。こちらも無事受験番号発見。正直ほっとした。 今回は一(イチ)・チャレンジャーの立場ではあるのだが、関係各所に相談を色々としていることもあり、落ちるわけ …

働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律

キャリアコンサルタント国家試験に役立つ法整備について勉強しましょう。 キャリアコンサルタントのキャリアコンサルティング業務に係る法整備について厚生労働省の資料を参考に説明します。 働く人々がそれぞれの事情に応じた多様な働き方を選択できる社会を実現する働き方改革を総合的に推進するため、長時間労働の是正、多様で柔軟な働き方の実現、雇用形態にかかわらない公正な待遇の確保等のための措置を講じるために、関係する法令を整備するために、「働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律」(働き方改革関連法)が2018年7月に公布され、関連する法律が順次施行されています。これにより人々の働き方、生活はいま …

女性の職業生活における活躍の推進に関する法律

キャリアコンサルタントの方に有用な情報をお伝えしています。キャリアコンサルティングにかかわりのある法の一つ女性活躍推進法(女性の職業生活における活躍の推進に関する法律)について説明します。 女性活躍推進法とは、男女共同参画社会の実現を指向しているにもかかわらず、職場における男女の格差が大きいことを背景に、女性の個性と能力が十分に発揮できるように環境を整備し活躍を推進して、豊かで活力ある社会の実現を図ることを目的とした法律です。2016年4月に10年間の時限立法として施行されました。 2019年5月29日、女性活躍推進法等の一部を改正する法律が成立し、2019年6月5日に公布、2020年6月1日 …

2020年前後に従業員の働き方が一気に見直しされた3

キャリアコンサルタント国家試験に役立つ法整備について勉強しましょう。今回はキャリアコンサルタントの業務に係りがある、働き方改革を実行するための関係法律の整備に関する法律(働き方改革関連法)の説明をします。 働き方改革関連法は、労働者がそれぞれの事情に応じた多様な働き方を選択できる社会を実現する働き方改革を総合的に推進するため、長時間労働の是正、多様で柔軟な働き方の実現、雇用形態にかかわらない公正な待遇の確保等を目的とした法律で、「労働基準法」、「労働安全衛生法」、「労働時間等の設定の改善に関する特別措置法」、「じん肺法」、「雇用対策法」、「労働契約法」、「短時間労働者の雇用管理の改善等に関する …

「労働安全衛生法」の改正項目を説明します

キャリアコンサルタントのキャリアコンサルティング業務に係る法律についてです。近年の働き方改革における種々の取り組みの一環としてで、働き方改革関連法で改正されましたが、その中の一つである「労働安全衛生法」の改正項目を説明します。キャリアコンサルタントには必須な労働法規の最新情報ということになります。 【労働安全衛生法】 改正項目 産業医の誠実な職務遂行、産業医への必要な情報提供が新設された。 産業医に対し労働者の労働時間その他、産業医が労働者の健康管理等を適切に行うために必要な情報を提供することが新設された。 事業者が勧告を受けたときは、勧告の内容などを衛生委員会又は安全衛生委員会に報告する義務 …