前回までは働き方改革関連法により改正された法律を中心に働きかた改革推進について説明しましたが、今回は、キャリアコンサルタントがキャリアコンサルティングを行う上で係りのある働きかた改革を推進する多様で柔軟な働きかたをかなえる制度・施策について副業・兼業の促進を説明します。
副業・兼業の促進
厚生労働省のホームページより 05.pdffを参考に説明します
厚生労働省では、「働き方改革実行計画」(平成29年3月28日働き方改革実現会議決定)を踏まえ、副業・兼業の普及促進を図るため、副業・兼業の促進に関するガイドラインを作成し(平成30年1月)、さらに企業も働く人も安心して副業・兼業を行うことができるようルールを明確化するため、令和2年9月にガイドラインを改定しました。
働きかた改革になぜ副業・兼業かということについてですが、副業・兼業は、新たな技術の開発、オープンイノベーションや起業の手段、そして第2の人生の準備として有効とされており、また人生100年時代を迎えて、若いうちから、自らの希望する働き方を選べる環境を作っていくことが必要であり、それを実践することができる副業・兼業などの多様な働き方への期待が高まっています。
ガイドラインでは副業・兼業を行うことについて、二つ以上の仕事を掛け持つことを想定しています。
-企業に雇用される形で行うもの(正社員、パート・アルバイトなど)
-自ら起業して事業主として行うもの
-コンサルタントとして請負や委任といった形で行うもの
など、さまざまな形態があります。
既に会社で働いている人が、副業・兼業を行うことが可能かどうかは会社によって異なります。就業規則や労働契約を確認し、副業・兼業を行うことが可能かどうか、副業・兼業を始めるためにどのような手続が必要かを確認する必要があります。
副業・兼業を禁止している企業や一律許可制にしている企業がありますが、労働者が労働時間以外の時間をどのように利用するかは、基本的には労働者の自由であるとされており、ガイドラインでは企業は原則、副業・兼業を認める方向で就業規則などの見直しを行い、労働者が副業・兼業を行える環境を整備するよう検討することが適当としています。
副業・兼業を取り入れるメリットと留意点について
副業・兼業を行うことのメリットは、働く人の状況によっていろいろありますが、以下のようなものが考えられます。
-離職せずとも別の仕事に就くことが可能となり、スキルや経験を得ることで、主体的にキャリア形成ができる。
-既に行っている仕事の所得を活かして、自分がやりたいことに挑戦でき、自己実現を追求できる。
-所得が増加する。
メリットの一方で、注意すべき留意点として、以下のようなものが考えられます。
-就業時間が長くなる可能性があるため、自身による就業時間や健康の管理も一定程度必要である。
-副業・兼業によって既に行っている仕事に支障が生じないようにすること。
-既に行っている仕事と副業・兼業それぞれで知り得た業務上の秘密情報を漏らさないこと。
次に副業・兼業を進める上で必要になる対応について
1.副業・兼業を認めるにあたって
STEP1 就業規則等の整備
〇 副業・兼業を禁止や一律許可制にしている企業は、副業・兼業を認める方向で就業規則等を見直すことが望ましい。
〇 就業規則等の見直しにあたってのポイントは、以下のようなことが考えられます。
-副業・兼業を原則認めることとすること
-労務提供上の支障がある場合など、例外的に副業・兼業を禁止または制限することができるとされている場合を必要に応じて規定すること
-副業・兼業の有無や内容を確認するための方法を、労働者からの届出に基づくこととすること
〇 副業・兼業に伴う労務管理を適切に行うためには、届出制など副業・兼業の有無・内容を確認するための仕組みを設けておくことが望ましい。
〇 副業・兼業に関しては、
-労働者の心身の健康の確保、ゆとりある生活の実現の観点から法定労働時間が定められている趣旨も踏まえ、長時間労働にならないようにすること
-労働基準法や労働安全衛生法による規制等を潜脱するような形態等で行われる副業・兼業は認められず、就労の実態に応じて、労働基準法や労働安全衛生法等における使用者責任が問われること
-労働者が副業・兼業に係る相談・自己申告等をしやすい環境づくりが重要であり、労働者が相談・自己申告等を行ったことにより不利益な取扱いはできないことに留意することが必要です。
キャリアコンサルタントが知っていると良い多様で柔軟な働きかたをかなえる制度・施策についてお話ししました。
(つづく)A.K