◆このコーナーは、活躍している「キャリア・カウンセラー」からの近況や情報などを発信いたします。◆今回のキャリアコンサルタント便りは”油川 裕志さん”です
みなさまはじめまして。52期の油川です。
私は現在、企業の中で人財育成の仕事に携わっています。毎年、新入社員が少し緊張した面持ちで、それでも希望に胸を膨らませながら入社してくる姿を見ると、「今年もこの季節が来たな」と感じます。彼ら彼女らの成長に関われる仕事に就いていることは、長い仕事人生の中でも大きな喜びの一つです。
キャリアコンサルティングの資格を取得した当初は、この資格が自分の働き方そのものに大きな影響を与えるとは、正直あまり考えていませんでした。「仕事の幅が広がればいいな」「人財育成の場面で役立つだろう」その程度の認識だったように思います。
ところが最近、その考えは良い意味で裏切られる出来事がありました。新たな学びに挑戦するため、別の専門学校に通い始めたのですが、その際、職業訓練給付金の申請にあたり、キャリアコンサルティングの面談を受けることになりました。
そうです。今回は支援する側ではなく、支援を受ける側としての面談です。資格取得後、クライアントの立場でジョブ・カードを作成し、面談を受けるのは初めての経験でした。いざ自分のキャリアを整理しようとすると、思った以上に手が止まります。普段は「これまでの経験を振り返ってみましょう」などと自然に言っているのに、自分のこととなると案外難しいものです。「これは現場あるあるかもしれない」と、思わず苦笑いしてしまいました。
面談では、キャリアコンサルタントからの問いに答えながら、これまでの仕事や選択、そしてこれからの学びや働き方について言葉にしていきました。話していくうちに、「自分はなぜ今、学び直そうとしているのか」「これからどんな時間を大切にして働きたいのか」といったことが、少しずつ整理されていきました。
そのとき改めて感じたのは、キャリアコンサルティングとは、誰かに答えを与えるものではなく、「自分自身が納得できる答えにたどり着くプロセス」を支援するものなのだ、ということです。
資格を取得してから時間が経った今だからこそ、その価値を実感できたのだと思います。もう一つ、キャリアコンサルティングを学んで本当に良かったと感じているのは、人とのつながりです。仕事をしながら勉強する日々は、決して楽ではありませんでした。忙しさを理由に、テキストを閉じたくなる日も正直ありました。
それでも、養成講座で出会った仲間との時間は、今振り返っても特別なものです。年齢も職種も立場も異なる仲間たちが、「キャリア」という共通のテーマのもとで、自分の人生や仕事について語り合いました。真面目な話をしていたはずが、いつの間にか笑いが起きたり、「それ、すごく分かります」と深くうなずき合ったりする場面も多くありました。
卒業後は、それぞれ別の道で頑張っており、つい先日も皆さんとお会いしてキャリアのことや日々の悩みを語り合いました。このつながりが続いていることは、テクノファで学んだ何よりの財産だと感じています。キャリアコンサルティングを学んでから、私は「キャリアは一人で頑張るものではない」と、自然に思えるようになりました。
迷ったとき、立ち止まったとき、誰かに話してもいい。聴いてもらっていい。そして今度は、自分が誰かの話を聴く側になる。その循環が、人のキャリアを支えているのだと思います。長い仕事人生の中では、思い通りにいかないことや、先が見えなくなる瞬間もあります。それでも、自分のキャリアを言葉にし、誰かと対話する力があれば、また一歩前に進むことができます。
キャリアコンサルティングの資格は、私にとって、仕事のためのスキルであると同時に、自分自身の人生を整え、支えてくれる学びでもありました。これからも支援する側として、そして一人の働く人として、学び続けていきたいと思います。