実践編・応用編

キャリアコンサルタント実践の要領 13 I テクノファ

投稿日:2020年11月24日 更新日:

キャリアコンサルタントの知識の実践

今回は、キャリアコンサルタントの力ウンセリング基本的スキルとしてのキャリアシートの作成指導について説明します。キャリアシートは、職業経験のある人が自分の過去を振り返り、技能や能力について把握し、過去の職務や経験を評価し、今後の希望や計画をまとめるためのシートです。特に定められた形式はありません。

■履歴書、職務経歴書との違いとは
キャリアシートと似たようなもので従来から使用されているものに、履歴書と職務経歴書があります。履歴書は趣味なども記述しますので、公式の自己紹介書ともいえるもので、文字どおり自分の履歴を書くものです。したがって、職業経験がない人も使う場合があります。定型化されたものは文房具店で購入することができます。
職務経歴書は、履歴書を補足するものとして使用されます。自分の過去の職業経験について、それぞれの職務内容、職責、実績を分析し、まとめて記述したものが職務経歴書です。職務経歴書にも定められた形式はありません。
履歴書、職務経歴書は自分の過去について記述するものですが、キャリアシートには自分の過去および現在についての分析と評価も記述し、さらに今後の計画や希望、自己啓発プランまでも記述します。
キャリアコンサルタントはキャリアシートとの違いを認識しておくと良いと思います。

■キャリアシートの作成手順
キャリアシートの作成作業は、まず、職務の棚卸しから始めます。最初は、経験した企業名、所属、勤務地、職位、職責、職務内容、職種、能力開発(受講した訓練などとともに習得した技能、スキルなど)を経験順に整理します。次に、職務の変遷を整理します。最後に、仕事の領域ごとに職務の明細を整理し、自己評価をします。これら3つの作業で整理したものを参考にしながら、企業歴、職務歴、仕事の実情、自己啓発プラン、地域活動(ジョブ以外のワーク)、キャリアプランなどをキャリアシートとしてまとめます。

キャリアシート作成手順

キャリアコンサルタントの相談の基本的な流れ
次に力ウンセリングの基本的スキルとして、相談過程全体のマネジメントスキルについて説明します。キャリアコンサルタントの相談は、図のような6つのプロセスから成り立っています。

キャリアコンサルタントの相談の過程は、上記の図のように

①自己理解
②仕事(職業・職務)理解
③啓発的経験
④意思決定
⑤方策の実行
⑥新たな仕事への適応
の6つのプロセスから成り立っています。相談はこのプロセスを進むことになりますが、来談者が相談過程のどの段階にいるかを常に把握し、各段階に応じた支援方法を選択して適切に相談を進行・管理することが求められます。

■つまずいたら、そのつど「自己理解」に戻る
 キャリアコンサルタントの活動は順調に進めば問題はありませんが、必ずしも相談者全員が順調にいくとは限りません。図の中の点線の矢印は、どの段階であっても、そこでつまずいたらもう一度自己理解に戻って点検し、引っかかったところからやり直すことを意味しています。そのためにも、キャリアコンサルタントは自分のクライエントとは緊密に連絡を取り合い、適切なフォローアップをしなければなりません。
(つづく)H.K

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