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実践編・応用編

健康で安全な生活の確保 3

投稿日:2025年1月17日 更新日:

キャリアコンサルタントが知っていると有益な情報をお伝えします。

前回に続き、健康で安全な生活の確保についてお話しします。国民の多くは、健康で安全な生活をすることを願っています。一方で、大規模な自然災害が発生しても、機能不全に陥らないで復旧復興に取り組まねばなりません。また、日常生活に潜む危険(感染症等)などから身を守る対策にも万全を期す必要があります。

〇身体活動・運動
運動や身体活動の量が多い者は、少ない者と比較して循環器病、2型糖尿病、がん、ロコモティブシンドローム、うつ病、認知症等の発症・罹患リスクが低いという報告があります。厚生労働省では、「健康日本21(第三次)」における身体活動・運動領域の目標とて、①「日常生活における歩数の増加」、②「運動習慣者の増加」、③「運動やスポーツを習慣的に行っていないこどもの減少」を設定しました。また、社会環境の質の向上に関する目標のうち、自然に健康になれる環境づくりとして、「居心地が良く歩きたくなる」まちなかづくりに取り組む市町村数の増加を設定し、それぞれについて、目標値を定め、取組みを進めていくこととしています。 「健康日本21(第三次)」における身体活動・運動領域の取組みを推進するため、「健康づくりのための身体活動基準2013」を改訂し、「健康づくりのための身体活動・運動ガド2023」を公表しました。「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」においては、科学的知見に基づき、身体活動・運動領域の取組みを推進するため、健康づくりに関わる専門家(健康運動指導士、保健師、管理栄養士、医師等)、政策立案者(健康増進部門、まちづくり部門等)、職場管理者、その他健康・医療・介護分野における身体活動を支援する関係者を対象として、身体活動・運動に係る推奨事項や参考情報をまとめています。

本ガイドにおいては、身体活動・運動に取り組むに当たっての全体の方向性として、「個人差を踏まえ、強度や量を調整し、可能なものから取り組む」こととしています。また、成人、高齢者に対しての推奨事項として、運動の一部として筋力トレーニングを週2~3 日取り入れることや、座位行動(座りっぱなし)の時間が長くなりすぎないように注意すること等を新たに示しています。

“〇休養・睡眠
休養・睡眠は、生活の質に係る重要な要素であり、日常的に質・量ともに十分な睡眠をとり、余暇等で身体や心を養うことは、心身の健康の観点から重要である。 厚生労働省では、「健康日本21(第三次)」における休養・睡眠領域の目標として、① 「睡眠で休養がとれている者の増加」、②「睡眠時間が十分に確保できている者の増加」、③「週労働時間60時間以上の雇用者の減少」を設定し、それぞれについて、目標値を定め、取組みを進めていくこととしている。 「健康日本21(第三次)」における休養・睡眠領域の取組みを推進するため、2024(令 和6)年2月に「健康づくりのための睡眠指針2014」を改訂し、「健康づくりのための睡 眠ガイド2023」を公表した。「健康づくりのための睡眠ガイド2023」は、科学的知見に 基づき、休養・睡眠領域の取組みを推進するため、生活指導の実施者(保健師、管理栄養士、医師等)、政策立案者(健康増進部門、まちづくり部門等)、職場管理者、その他 康・医療・介護分野における良質な睡眠の確保を支援する関係者等を対象として、休養・ 睡眠に係る推奨事項や参考情報をまとめている。本ガイドにおいては、「健康日本21(第三次)」において目標として掲げられた適正な 睡眠時間と睡眠休養感の確保に向けた推奨事項を「成人」「こども」「高齢者」と年代別に取りまとめた。また、良い睡眠には、光・温度・音等の環境因子、食生活・運動等の生活習慣、睡眠に影響を与える嗜好品との付き合い方も重要であるため、科学的知見を踏まえ、これらについて留意が必要な点を参考情報として取りまとめた。さらに、睡眠に関連する症状には、「睡眠障害」に起因するものがあるため、「睡眠障害」についても概説し、 女性の健康等の観点からは、女性ホルモンの変動が睡眠に及ぼす影響を概説するとともに、現代社会の維持に不可欠な勤務形態の一つである交替制勤務における睡眠の不調等の健康リスクや生活習慣等において工夫できる点も整理した。(出典)厚生労働省 令和6年版 厚生労働白書”

〇たばこ
喫煙は、がん、循環器疾患、糖尿病、慢性閉塞性肺疾患 (COPD)などの生活習慣病の最大の危険因子である。また、受動喫煙は、虚血性心疾患や脳卒中、肺がんに加え、乳幼児突 然死症候群(SIDS)等のリスクを高めます。 厚生労働省では、「健康日本21(第三次)」における喫煙領 域の目標として、①「喫煙率の減少(喫煙をやめたい者がやめる)」、②「20歳未満の者の喫煙をなくす」、③「妊娠中の喫煙 をなくす」を設定し、社会環境の質の向上に関する目標のち、自然に健康になれる環境づくりとして望まない受動喫煙の機会を有する者の割合の減少を設定し、それぞれについて目標値を定め、取組みを進めていくこととしています。

2005(平成17)年2月に「たばこの規制に関する世界保健機関枠組条約(FCTC)」 が発効しました。我が国は2004(平成16)年にこの条約を締結しており、喫煙や受動喫煙が健康、社会、環境や経済に与える影響から、現在及び将来の世代を保護するという基本理念に沿って、たばこ対策の充実強化に取り組んでいます。2016(平成28)年8月には、たばこを取り巻く社会環境の変化とともに新たに蓄積された科学的知見、たばこの現状と健康影響及び諸外国のたばこ対策等を整理するため、「喫煙の健康影響に関する検討会」を開催し、「喫煙と健康 喫煙の健康影響に関する検討会報告書」(通称、たばこ白書)を取りまとめました。

喫煙率を低下させる取組みとしては、2018(平成30)年5月に「禁煙支援マニュア喫煙率を低下させる取組みとしては、2018(平成30)年5月に「禁煙支援マニュアル(第二版)」を増補改訂するなど、禁煙治療とともに禁煙支援の充実を図ってます。また、受動喫煙対策については、2018年の第196回通常国会において、「望まない受動喫煙」をなくすことを目的とし、以下を主な内容とする「健康増進法の一部を改正する法律」が成立し、2020(令和2)年に全面施行された。

●子どもや患者等が主たる利用者となる学校、病院、児童福祉施設等や行政機関(第一種 施設)においては「敷地内禁煙」とすること

●これら以外の多数の者が利用する施設(第二種施設)においては「原則屋内禁煙」とすること

●既存特定飲食提供施設(既存の飲食店のうち、個人又は資本金5,000万円以下の中小企 業であって、客席面積100m2以下のもの)については、別に法律で定める日までの間の措置として、標識の掲示等により店内での喫煙が可能であること

2017(平成29)年から実施している「喫煙環境に関する実態調査」においては、「健康増進法の一部を改正する法律」の施行後の状況の把握を行っており、2021(令和3) 年度の調査では、第一種施設における敷地内全面禁煙の割合が87.4%、第二種施設における屋内全面禁煙が71.6%、喫煙専用室設置が9.2%となっています。 また、2022(令和4)年には「たばこ対策に関する世論調査」を行い、「健康増進法の 一部を改正する法律」による健康増進法の改正内容や喫煙による健康影響に関する知識について調査を行いました。 これらの調査結果を踏まえ、たばこ対策、受動喫煙対策に関する取組みを推進していきます。

“〇飲酒
アルコールは、様々な健康障害との関連が指摘されており、アルコール性肝障害、膵炎等の臓器障害、高血圧、心血管障害、がん等に深く関連する。また、近年は若者や妊娠中の飲酒の弊害がより強く認識されるようになっている。2010(平成22)年5月のWHO 総会において、「アルコールの有害な使用を軽減するための世界戦略」が採択されるなど、国際的に見ても各国の事情に応じたアルコール対策は重要な課題と認識されている。

こうした状況を踏まえ、厚生労働省では、「健康日本21(第三次)」における飲酒領域の目標として、①「生活習慣病(NCDs)のリスクを高める量を飲酒している者の減少」、②「20歳未満の者の飲酒をなくす」ことを設定した。また、ライフコースアプローチを踏まえた健康づくりに関する目標のうち、女性に関するものとして、③生活習慣病 (NCDs)のリスクを高める量を飲酒している女性の減少を設定し、それぞれについて、数値目標を定め、取組みを進めていくこととしている。また、健診・保健指導の現場で活用されている「標準的な健診・保健指導プログラム(令和6年度版)」では、問題飲酒者に対するスクリーニングテストや減酒支援のほか、飲酒の質問項目に沿って作成した、飲食に係るリスクの評価(生活習慣病のリスクを高める量を飲酒している者)の表を提示した。生活習慣病の発症予防・重症化予防を多角的に推進していくためには、保健・医療の現場における生活習慣の改善支援の一環として、食生活・身体活動・禁煙の支援とともに減酒支援を推進していくことが重要である。

さらに、「アルコール健康障害対策基本法」(平成25年法律第109号)に基づく「アルコール健康障害対策推進基本計画」については、2021(令和3)年度からのおおむね5年間を対象期間とする第2期計画が2021年3月に閣議決定され、アルコール健康障害の発生予防に向けた重点目標を設定するなど、総合的な対策の推進を図っている。また、 2024(令和6)年2月には、第2期計画の基本的施策として、飲酒に伴うリスクに関する 知識の普及の推進を図るため、国民それぞれの状況に応じた適切な飲酒量・飲酒行動の判 断に資する「健康に配慮した飲酒に関するガイドライン」を公表した。
(出典)厚生労働省 令和6年版 厚生労働白書”

(つづく)Y.H

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