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実践編・応用編

日本のスポーツ立国の実現

投稿日:2025年5月12日 更新日:

キャリアコンサルタントが知っていると有益な情報をお伝えします。

スポーツは、青少年の健全育成や、地域社会の再生、心身の健康の保持増進、社会・経済の活力の創造、我が国の国際的地位の向上など、国民生活において、多面にわたる役割を果たすものとされています。今回は、スポーツ立国の実現についてお話します。
◆スポーツを通じた健康増進
我が国の国民医療費が年間で40兆円を超える中、運動・スポーツに取り組むことによる効果として、健康増進、健康寿命の延伸が注目されています。スポーツを通じた健康増進を図るためには、国民全体のスポーツへの参画を促進するとともに、年齢・性別・障害の有無等にかかわらず、国民の誰もが、スポーツに親しむことのできる環境整備が必要です。

●スポーツ参画人口の現状
基本計画では、成人の週1回以上のスポーツ実施率を70%程度とする目標を掲げており、また、1回30分以上の軽く汗をかく運動を週2回以上実施し、1年以上継続している運動習慣者の割合の増加を目指しています。令和5年度の調査では、20歳以上の週1日以上のスポーツ実施率は52.0%となっており、性別では、男性の実施率が54.7%、女性の実施率が49.4%と、女性の方が男性よりも5.3%低くなっています。 さらにこの1年間でスポーツを「する」、「みる」、「ささえる」のいずれかに参画した者の割合は87.8%(男性 89.9%、女性85.7%)でした。また、1日 30分以上の軽く汗をかく運動を週2日以上実施し、1年以上継続している運動習慣者の割合は、20歳以上で27.3%となっています。(出典)文部科学省 令和5年版 文部科学白書

●スポーツ実施率向上のための施策
○ライフステージ等に応じた施策
スポーツの実施に関し、広く一般に向けた普及・啓発や環境整備を行うことにより、スポーツ実施率の向上を目指しています。 生活の中に自然とスポーツが取り込まれている「Sport in Life(スポーツ・イン・ライフ)」(生活の中にスポーツを)という姿を目指し、趣旨に賛同いただいた団体・企業等で構成するSport in Lifeコンソーシアムを運営し(令和5年度末の加盟団体数約3,400団体)、情報や資源のプラットフォームとすることを通じ、一体感をもった国民のスポーツ実施促進に係る取組を推進しています。具体的な取組としては、スポーツ人口拡大に資する優れた取組を表彰する「Sport in Lifeアワード」、従業員のスポーツ実施に向けた積極的な取組を行う企業を認定する「スポーツエールカンパニー」制度を実施するとともに(5年度認定企業数1,252社)、科学的知見の普及や活用によるスポーツを通じた国民の健康増進を図る「スポーツ実施率の向上に向けた総合研究」等に取り組んでいます。また、「運動・スポーツ習慣化促進事業」では、多くの住民がスポーツに興味・関心を持ち、スポーツの習慣化につながるよう、地方公共団体の取組や体制整備を支援しています。そのほか、毎年10月を「体力つくり強調月間」として、広く国民に健康・体力つくりの重要性を呼び掛けています。

○スポーツを実施するための環境整備
総合型地域スポーツクラブ(以下「総合型クラブ」という。)は、地域住民が自主的・主体的に運営し、身近な学校や公共施設などを拠点として日常的に活動する地域密着型のスポーツクラブです。生涯スポーツ社会の実現に寄与するほか、地域の子供のスポーツ活動の場の提供、家族のふれあい、世代間交流による青少年の健全育成、地域住民の健康維持・増進等の地域社会の再生に関する多様な効果も期待されています。 「令和5年度総合型地域スポーツクラブに関する実態調査」によると、全国の総合型クラブの育成数(創設準備中を含む)は、同年度現在で3,551クラブ、クラブ育成率 (全市区町村数に対する総合型クラブが育成されている市 区町村数の割合)は80.2%となっています。

◆幼児期から大学生までのスポーツ活動の推進
●子供の体力の現状と課題
「令和5年度全国体力・運動能力、運動習慣等調査」によると、元年度から続く子供の体力の低下傾向に改善の兆しが見られました。幼児期から中学生までの運動習慣は、生涯にわたる体力・運動能力等の基盤となる極めて重要な要素であることから、生活の中に運動(習慣)を取り入れ 定着させるための取組を進めていくことが必要です。そのため、スポーツ庁としては、学校・家庭・地域における運動機会を確保し、子供の運動習慣の形成や体力向上につなげられるよう、①幼児期からの運動習慣形成の取組の強化、②子供のニーズに応じた多様なスポーツ環境の整備、③体育の授業における子供の運動意欲の向上、④授業以外の場における運動時間の増加、家庭で運動を実践するきっかけの提供等の取組を進めています。
(出典)文部科学省 令和5年版 文部科学白書

●幼児期からの運動習慣の形成
幼児期からの運動習慣づくりは、子供の体力向上はもとより、成人以降のスポーツ習慣や高齢期以降の健康の保持にも大きな影響を及ぼすものです。そのため、スポーツ庁では、家庭や学校をはじめ、地域において、幼児期等の子供を対象に、その発達段階に応じた運動習慣の形成に取り組むことにより、子供の体力向上を目指し、さらに、生涯にわたって運動やスポーツを継続する人が増えるよう取り組んでいます。

●学校における体育の充実
○学習指導要領の趣旨を踏まえた学校体育の充実
学習指導要領では、小学校から高等学校までを見通した指導内容の系統化や明確化を図りつつ、「知識及び技能」、「思考力、判断力、表現力等」、「学びに向かう力、人間性等」の三つの資質・能力をバランスよく育むこととしています。体育・保健体育については、生涯にわたって心身の健康を保持増進し、豊かなスポーツライフ を実現するための資質・能力を育成することを目指しています。また、自己の適性等に応じた「する・みる・支える・知る」といったスポーツとの多様な関わり方、疾病等のリスクの軽減や生活の質の向上、健康を支える環境づくりと関連付けるよう、学習家庭の工夫を求めています。スポーツ庁では、体育・保健体育の授業の充実を図るために、体育の授業にアスリートを派遣する取組や中学校における多様な武道等の指導の実践研究、障害の有無にかかわらず児童生徒が共に学ぶための指導方法等の実践研究等スポーツ庁では、体育・保健体育の授業の充実を図るために、体育の授業にアスリートを派遣する取組や中学校における多様な武道等の指導の実践研究、障害の有無にかかわらず児童生徒が共に学ぶための指導方法等の実践研究等の取組を実施しています。
(出典)文部科学省 令和5年版 文部科学白書

○体育活動の安全かつ円滑な実施のための取組
学校における体育活動については、事故防止対策に万全を期する必要があり、スポーツ庁では、体育活動中の事故防止に向けて、事務連絡等を通じて、授業等で使用する用具の安全確保や体罰やハラスメントの根絶、熱中症事故の防止等について取組の徹底を求めています。また、事故防止のための科学的な知見、全国の事故の発生状況や事例等に係る情報を共有するため、全国各地でセミナーを実施し学校における体育活動については、事故防止対策に万全を期する必要があり、スポーツ庁では、体育活動中の事故防止に向けて、事務連絡等を通じて、授業等で使用する用具の安全確保や体罰やハラスメントの根絶、熱中症事故の防止等について取組の徹底を求めています。また、事故防止のための科学的な知見、全国の事故の発生状況や事例等に係る情報を共有するため、全国各地でセミナーを実施しています。

●運動部活動改革
これまで運動部活動は、生徒のスポーツに親しむ機会を確保する役割を担ってきたのみならず、生徒の自主的・主体的な参加による活動を通じた責任感・連帯感の涵養等の役割も担っていました。 しかし、少子化の進展により、従前と同様の学校単位での部活動運営は困難となり、また、必ずしも専門性や意思に関わらず教師が顧問を務める指導体制の継続は、学校の働き方改革が進む中、より困難となっています。
少子化が進む中でも、将来にわたり生徒がスポーツ活動 に継続して親しむ機会を確保し、「地域の子供たちは、地域で育てる」という意識の下、地域のスポーツ資源を最大限活用しながら、生徒のニーズに応じた多様で豊かな活動を実現するため、学校における部活動改革は必要不可欠です。スポーツ庁としては学校部活動の適正な運営や効率的・効果的な活動の在り方とともに、新たな地域クラブ活動を整備するために必要な対応について示した、「学校部活動及び新たな地域クラブ活動の在り方等に関する総合的 なガイドライン」を令和4年12月に策定・公表しました。 本ガイドラインでは、5年度から7年度までを「改革推進期間」として位置づけ、休日の部活動の地域連携や地域ク ラブ活動への移行について、地域の実情等に応じて可能な限り早期の実現を目指すこととしています。
改革推進期間の初年度である令和5年度には、地域移行に向けた実証事業を全国339自治体で実施するとともに、部活動指導員の配置等に必要な経費の措置等を行いました。また事例集等を通じた先進事例の更なる周知や、ポー タルサイトの運営・充実、好事例の紹介動画等の広報活動の強化など、必要な施策を総合的・一体的に講じていきます。

●大学スポーツの振興
大学スポーツ活動の振興を図るため、「みる」スポーツとしての潜在的価値を十分に生かす新たなムーブメントを創出するための大会の企画運営を行うモデル事業や、大学が有するスポーツ資源を有機的複合的に活用し、各地域の 現況に即した課題を解決するためのモデル事業を実施しています。また、大学スポーツにおける不祥事防止のため、 一般社団法人大学スポーツ協会(UNIVAS)と連携し、大学生や指導者・コーチを対象としたコンプライアンス研 修や、適切な大学執行部のガバナンスの在り方についての啓発資料及び不祥事が起こった際の対応に係る手引書の普及等に取り組んでいます。
(つづく)Y.H

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