キャリアコンサルタントが知っていると有益な情報をお伝えします。
ICT活用についての最終回です。ICTとは、情報通信技術を意味します。ICTの普及により、私たちの生活は各段に便利になりました。インターネットを使えば、世界中の情報をリアルタイムで簡単に手に入れることができますし、スマホを片手に家族や友達と手軽に連絡したり、音楽や映画を楽しむこともできます。このように、ICTは私たちの暮らしに溶け込み、より快適な楽しいいために欠かせないツールとなっています。
◆次世代の校務DXの推進
統合型校務支援システムの整備率は年々上昇し、校務 の効率化に寄与してきましたが、多くの自治体ではシステ ムを自前サーバに構築し、閉域網で稼働させているため、校務用端末も職員室に固定されていることが多く、1人1 台端末の整備とクラウド活用を核とするGIGAスクール 時代の教育DXや働き方改革の流れに適合しなくなってい ます。 こうした問題意識の下、教職員の働きやすさと教育活動の一層の高度化に向けた次世代の校務DXの方向性を示した「GIGAスクール構想の下での校務DXについて~教職員の働きやすさと教育活動の一層の高度化を目指して~」 を令和5年3月に専門家会議にて取りまとめました。また、その方向性も踏まえ、文部科学省では、次世代の校務 デジタル化推進実証事業を進め、次世代の校務DXのモデ統合型校務支援システムの整備率は年々上昇し、校務 の効率化に寄与してきましたが、多くの自治体ではシステムを自前サーバに構築し、閉域網で稼働させているため、校務用端末も職員室に固定されていることが多く、1人1 台端末の整備とクラウド活用を核とするGIGAスクール時代の教育DXや働き方改革の流れに適合しなくなってい ます。 こうした問題意識の下、教職員の働きやすさと教育活動 の一層の高度化に向けた次世代の校務DXの方向性を示した「GIGAスクール構想の下での校務DXについて~教職員の働きやすさと教育活動の一層の高度化を目指して~」 を令和5年3月に専門家会議にて取りまとめました。また、その方向性も踏まえ、文部科学省では、次世代の校務デジタル化推進実証事業を進め、次世代の校務DXのモデルケースの創出に取り組んでいます。
●学校における先端技術の効果的な活用
「個別最適な学び」と「協働的な学び」の一体的な充実のためには、1人1台端末等の学校ICT環境を基盤としつつ、先端技術を効果的に活用していくことが重要です。 ICT環境や先端技術を活用する意義としては、①学びにおける時間・空間などの制約を取り払うこと、②個別最適 できめ細かな学びや支援、③学びの知見の共有や知見の生成、④学校における働き方改革の推進等が挙げられます。
文部科学省では、令和元年度から5年度に、先進自治体や企業等と協働で、様々な先端技術の効果的な活用に関する実証を行い、その成果等の普及を通じて、学校現場 での先端技術の利活用を促進しています。
また、社会に急速に普及しつつある生成AIについては、令和5年7月に「初等中等教育段階における生成AIの利 用に関する暫定的なガイドライン」を公表し、学校関係者が活用の適否を判断する際の参考となるよう国として一定 の考え方を示しました。この暫定的なガイドラインも踏まえ、生成AIのパイロット校を指定し利活用の事例を蓄積するなど、学校における生成AIの教育利用や校務での利用の取組を促進していきます。(出典) 令和5年版 文部科学白書
●障害のある子供たちの支援
GIGAスクール構想の実現に向け、特に、障害のある児童生徒に対しては、1人1台端末を効果的に活用できるよう、一人一人に応じた入出力支援装置の整備について支援するとともに、特別支援教育就学奨励費等においてオンライン学習に必要な通信費についても支援を行っています。 また、国立特別支援教育総合研究所(NISE)においては、専門研修の参加者等が、1人1台のタブレット端末等をはじめとするICT機器を活用した指導方法や、教室に おける合理的配慮の可能性を模擬授業などの演習を通じて体験的に学ぶことを目指す施設設備である「あしたの教室」を設置し、専門研修等の参加者や見学者に対応しています。同研究所がこれらの体験等から得られる知見を整理 して情報を発信することや、先導的な機器を充実させるとで研究所の基礎的研究活動の研究設備としての機能も期 待できます。 さらに、国内のICTの実践を集積した「支援教材ポータル」を令和5年12月にリニューアルしたところであり、大学・高等専門学校・教育委員会・民間団体等との連携協力により、障害の状態や特性等に応じた教材、支援機器等 活用の様々な取り組みの情報などを集約管理・データベース化し、各学校等に対し優良事例の普及・啓発を実施してています。
●青少年を有害情報から守るための取組の推進
○学校における情報モラル教育の推進
スマートフォンやSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)などが児童生徒に急速に普及しており、これらの利用によってトラブルや犯罪に巻き込まれる事例が発生 しています。こうした背景を踏まえ、児童生徒が犯罪被害等の危険を回避し、情報を正しく安全に利用できるようにするとともに、人権、知的財産権などの自他の権利を尊重 し、情報社会での行動に責任を持ち、健康に留意して情報機器を利用することができるようにするため、情報モラル教育の充実が求められています。
小・中・高等学校の学習指導要領では、情報モラルを含む「情報活用能力」を教科等横断的に育成することとしています。これを踏まえて、学習指導要領解説においては、インターネット利用に伴う犯罪被害の防止の必要性や、児童生徒の発達の段階に応じて情報や情報技術の特性につい ての理解に基づく情報モラルを身に付けさせ、将来の新たな機器やサービス、あるいは危険の出現にも適切に対応で きるようにすることの重要性を示しています。
文部科学省では、情報モラル教育ポータルサイトを公開 しており、動画コンテンツ等を掲載しています。また、パ ソコン、タブレット、スマートフォンなどを活用して、学校だけではなく家庭でも、いつでもどこでも、情報モラルについて学ぶことができるe-learningコンテンツ(情報 モラル学習サイトも掲載しています。さらに、教員等を対象としたセミナーの実施等により、情報モラル教育の一層の充実を図ることとしています。(出典) 令和5年版 文部科学白書
○インターネットをめぐる問題に関する取組
こども家庭庁の令和5年度「青少年のインターネット利 用環境実態調査」によると、小学生では約98.2%、中学生では98.6%、高校生では99.6%がスマートフォン等のいずれかのインターネット接続機器でインターネットを利用しているとされており、平日の平均利用時間は約4時間 57分となっています。 文部科学省では、「青少年が安全に安心してインター ネットを利用できる環境の整備等に関する法律」や、令和 3年6月に決定された「青少年が安全に安心してインター ネットを利用できるようにするための施策に関する基本的な計画(第5次)」等を踏まえ、関係府省庁等と連携しつ つ、青少年をインターネット上の有害情報から守るための 取組を推進しています。具体的には、①フィルタリングや インターネット利用のルールに関する学習・参加型のシン ポジウム「ネットモラルキャラバン隊」の開催、②メディ アリテラシー指導員養成講座の実施やフィルタリング等の普及活動などの各地域における先進的な取組の支援として の「ネット対策地域モデル事業」の実施、③インターネッ トの長時間利用等の要因で生活習慣が崩れている青少年を 対象とした自然体験や宿泊体験プログラムの実施、④通信 関係団体や総務省などと連携した、保護者、教職員及び児 童生徒を対象とする、インターネットの安全・安心な利用 に関する講座(e-ネットキャラバン)の実施等に取り組んでいます。 さらに、多くの青少年が初めてスマートフォンなどを手 にする春の卒業・進学・入学の時期に合わせ、関係府省庁 等が連携して、「春のあんしんネット・新学期一斉行動」 を展開し、全国の教育委員会や学校、保護者等に適切な利用についての協力を依頼しています。
◆ICTを活用した情報発信
●文部科学省の取組に関する情報発信
文部科学省ウェブサイトは、教育、科学技術・学術、スポーツ、文化の各分野における最新の動向や調査結果のほか、報道発表資料や文部科学省の施策に関する情報を随時更新しながら発信しています。また、定例の文部科学大臣 の記者会見の動画を、即日文部科学省ウェブサイト上に掲 載しています。 平成28年4月以降、「今日の出来事」のコーナーを開 設して、政務三役の活動を通じて行事や施策等を発信しているほか、YouTubeに専用チャンネルを設置しており、施策の紹介や学習及び研修に使用できる動画等、国民の役に立つ情報(コンテンツ)等を公開しています。 20年8月のYouTubeチャンネル開設後の全再生回数は 令和6年3月現在で約11億1,367万回です。 さらに、文部科学省ではソーシャルメディアも積極的に活用しています。公式Facebook(「文部科学省 MEXT」)では、文部科学省ウェブサイトとの連携を図り、連日、動画や写真、画像などを添えて分かりやすく情報発信しています。令和5年度はフォロワー数が9.5万人 に達しました。公式X「mextjapan」では、文部科学省 ウェブサイトの新着情報などを発信しており、同年度は フォロワー数が44万1,000人に達しました。また、公式 Instagram「mextjapan」を元年10月に開設し、文部 科学省を更に身近に感じていただけるよう、様々な側面から情報を発信し、フォロワー数は3万3,000人を超えました。5年3月からは、広報誌「ミラメク-未来の羅針盤文部科学省-」をPDFでウェブサイトに掲載するとともに、スマートフォンでも読みやすいnote版も掲載しています
(つづく)Y.H