キャリアコンサルタントの方に有用な情報をお伝えします。
放送事業者の売上高等
我が国では、放送は、受信料収入を経営の基盤とするNHKと、広告収入又は有料放送の料金収入を基盤とする民間放送事業者の二元体制により行われています。また、放送大学学園が、教育のための放送を行っています。放送事業収入及び放送事業外収入を含めた放送事業者全体の売上高は、2022年度から減少し、2023 年度は3兆6,259億円(前年度比1.6%減)となっています。内訳をみると、地上系民間基幹放送事業者の売上高総計が2兆1,582億円(前年度比0.2%減)、衛星系民間放送事業者の売上高総計が3,315億円(前年度比1.6%減)、ケーブルテレビ事業者の売上高総計が4,795億円(前年度比1.7%減)、NHKの経常事業収入が6,567億円(前年度比5.8%減)となっています。
地上系民間基幹放送事業者(2023年度の売上高営業利益率3.6%)、衛星系民間放送事業者(同6.0%)及びケーブルテレビ事業者(同8.0%)は、それぞれ全体でみると、いずれも2022年度に引き続き黒字を確保しています。
事業者数
2024年度末における民間放送事業者数の内訳は、地上系民間基幹放送事業者が540社(うちコミュ ニティ放送を行う事業者が346社)、衛星系民間放送事業者が39社となっています。
地上系民間テレビジョン放送については、2024年度末現在、全国で127社(うち兼営31社)が放送を行っています。中波放送(AM放送))については、各地の地上系民間基幹放送事業者(2024年度末時点47社)が放送を行っています。超短波放送(FM放送)については、各地の地上系民間基幹放送事業者(2024年度末時点396社)が放送を行っています。そのうち、原則として一の市町村の一部の区域を放送対象地域とするコミュニティ放送事業者は346社となっています。短波放送については、地上系民間基幹放送事業者(2024年度末時点1社)が放送を行っています。
BS放送については、株式会社放送衛星システムの人工衛星により、NHK、放送大学学園及び民間放送事業者(2024年度末時点20社)が放送を行っており、うち9社が4K8K衛星放送を行っています。また、東経110度CS放送については、スカパーJSAT株式会社の人工衛星により、民間放送事業者 (2024年度末時点20社)が放送を行っています。
衛星一般放送については、スカパーJSAT株式会社の人工衛星により、民間放送事業者(2024年度末時点2社)が放送を行っています。
2023年度末のケーブルテレビ事業者数は、452者です。ケーブルテレビでは、地上放送及び衛星放送の再放送や自主放送チャンネルを含めた多チャンネル放送が行われています。登録に係る自主放送を行うための有線電気通信設備(501端子以上)によりサービスを受ける加入世帯数は約3,184万世帯、世帯普及率は約52.4%となっています。
NHKの国内放送の状況
2024年度末のNHKの国内放送のチャンネル数は、地上テレビジョン放送は2チャンネル、ラジオ放送は3チャンネル、衛星テレビジョン放送は3チャンネルです。NHKのテレビ・ラジオ国際放送は、在外邦人及び外国人に対し、ほぼ全世界に向けて放送しています。
放送設備の安全・信頼性の確保
放送は、日常生活に必要な情報や、災害情報をはじめとする重要な情報を広く瞬時に伝達する手段として、極めて高い公共性を有しており、それを支える放送設備には高度な安全・信頼性が求められています。2023年度の放送停止事故の発生件数は344件であり、このうち重大事故は27件で全体の約8%でした。これを踏まえ、各事業者における事故の再発防止策の確実な実施に加え、業界内での事故事例共有により同様の事故を防止するための取組が推進されています。 地上放送・衛星放送の放送停止事故の発生件数は255件であり、2011年度に集計を始めて以来最少となっています。なお、有線一般放送の放送事故の発生件数は89件であり、減少傾向にあります。放送停止事故の発生原因としては、設備故障によるものが最も多く、次いで自然災害によるものが多いという傾向が続いています。
コンテンツ市場
我が国の2023年のコンテンツ市場規模は12兆5,833億円となっています。ソフト形態別の市場構成比では、映像系ソフトが全体の60%近くを占めています。また、テキスト系ソフトは約35%、音声系ソフトは約7%をそれぞれ占めています。コンテンツ市場の規模は、2021年に大幅に増加して以降、おおむね同水準を維持しています。ソフト形態別では、テキスト系ソフト、音声系ソフトが増加傾向となっています。
2023年の1次流通市場の規模は9兆5,898億円であり、市場全体の4分の3を占めています。1次流通市場の内訳は、映像系ソフトが5兆5,128億円、テキスト系ソフトが3兆3,023億円、音声系ソフトが 7,747億円となっています。一方、マルチユース市場の規模は2兆9,936億円であり、前年から微減しました。内訳は、映像系ソフトが1兆7,287億円、テキスト系ソフトが1兆1,137億円、音声系ソフトが1,511億円となっています。
コンテンツ市場のうち、パソコン及びスマートフォン向けなどインターネットなどを経由した通信系コンテンツの市場規模は6兆672億円となっています。ソフト形態別の市場構成比では、映像系ソフトが 56.5%、テキスト系ソフトが34.4%、音声系ソフトが9.1%を占めています。 また、通信系コンテンツの市場規模は、引き続き増加しています。ソフト形態別に推移をみると、全てのソフト形態で増加傾向にあります。
広告
世界の広告費をみると、2024年にはデジタル広告が4,698億ドル(前年比10.7%増)となると予測されており、総広告費に占める割合も60.8%まで拡大する見通しとなっています。日本の広告費をみると、2024年にはインターネット広告が3兆6,517億円となった一方、マスコミ4媒体広告は2兆3,363億円と減少傾向にあり、両者の広告費が初めて逆転した2021年以降、その差が広がっています。2023年度の放送コンテンツ海外輸出額は引き続き増加し、835.8億円(前年度比10.5%増)となりました。 なお、主体別では、民放在阪準キー局の割合が大きく増加しています。
電波の利用状況
周波数については、国際電気通信連合(ITU)憲章に規定する無線通信規則により、世界を3つの地域に分け、周波数帯ごとに業務の種別などを定めた国際分配が規定されています。 国際分配を基に、電波法に基づき、無線局の免許の申請などに資するため、割り当てることが可能な周波数、業務の種別、目的、条件などを「周波数割当計画」として定めています。同計画の制定及び変更に当たっては、電波監理審議会への諮問が行われています。
2024年度末における無線局数(無線LAN端末等の免許を要しない無線局を除く。)は、3億6,230万局(対前年度比12.6%増)です。そのうち携帯電話端末等の陸上移動局は3億2,876万局(対前年度比3.3%増)となっており、総無線局数に占める携帯電話端末等の陸上移動局の割合は、90.7%となっています、前年と比較すると減少しているものの、依然として高い水準になっています。割合が減少した要因は、その他の無線局数が大きく増加(2023年度末の58万局から2024年度末の3,057万局)したことであり、特に、衛星ダイレクト通信サービスの提供が開始されたことによる携帯移動地球局の増加の影響が大きく、携帯移動地球局は2023年度末から3,003万局(2023年度末の14万局から2024年度末の3,017万局)増加しています。また、簡易無線局も153万局(対前年度比2.2%増)に増加しています。
総務省は、全国の主要都市の鉄塔やビルの屋上などに設置したセンサ局施設や不法無線局探索車などにより、消防・救急無線、航空・海上無線、携帯電話などの重要無線通信を妨害する電波の発射源の探査、不法無線局の取締りなどのほか、電波の利用環境を乱す不法無線局などの電波の発射源を探知する施設として「DEURAS(DEtect Unlicensed RAdio Stations:デューラス)」を整備し、電波の監視業務を実施しています。2024年度の混信・妨害申告などの件数は1,847件で前年度に比べ484件減(20.8%減)、そのうち、重要無線通信妨害の件数は355件で前年度に比べ36件減(9.2%減)となっています。こうした混信・妨害申告の2024年度の措置件数は前年度までの未措置分を含めて2,057件となっています。
また、2024年度の不法無線局の出現件数は3,926件で前年度に比べ94件増(2.5%増)となっています。2024年度の措置件数は、前年度までの未措置分を含めて1,315件で前年度に比べ433件増(49.1%増)であり、措置件数全体に対する内訳は告発41件(3.1%)、指導1,274件(96.9%)となっています。
(出典)総務省
https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/r07/pdf/index.html
(つづく)平林良人