キャリアコンサルタントの知恵袋 | 株式会社テクノファ

実践に強いキャリアコンサルタントになるなら

実践編・応用編

日本におけるデジタル活用の動向

投稿日:2026年1月11日 更新日:

キャリアコンサルタントの方に有用な情報をお伝えします。

情報通信機器・端末
デジタルを活用する際に必要となるインターネットなどに接続するための端末について、2024年の情報通信機器の世帯保有率は、「モバイル端末全体」で97.0%であり、その内数である「スマートフォン」は90.5%です。また、パソコンは66.4%となっています。

インターネット
2024年のインターネット利用率(個人)は85.6%となっており、端末別のインターネット利用率(個人)は、「スマートフォン」(74.4%)が「パソコン」(46.8%)を27.6ポイント上回っています。
個人の年齢階層別にインターネット利用率をみてみると、13歳から69歳までの各階層で9割を超えている一方、70歳以降年齢階層が上がるにつれて利用率が低下する傾向にあります。また、所属世帯年収別インターネット利用率は、400万円以上の各階層で8割を超えています。さらに、都道府県別にみると、インターネット利用率が80%を超えているのは38都府県となっており、すべての都道府県でスマートフォンでの利用率が60%を超えています。
インターネットを利用している人の約7割がインターネットの利用時に何らかの不安を感じており、具体的な不安の内容としては、「個人情報やインターネット利用履歴の漏洩」の割合が90.2%と最も高く、次いで「コンピューターウイルスへの感染」(61.6%)、「架空請求やインターネットを利用した詐欺」(53.9%)となっています。

デジタルサービス
普段利用しているデジタルサービスについて、日本、米国、ドイツ、中国でアンケート調査を実施したところ、日本においては、「インターネットショッピング」、「メッセージングサービス」、「SNS」、「情報検索・ニュース」といったサービスの利用者が60%以上と、他のサービスと比較して多くなっています。日本で「QRコード決済」の利用が比較的多い背景には、スマートフォンの普及、QRコード決済事業者による導入促進キャンペーン、コード決済を活用した行政によるキャッシュレス普及促進や中小企業支援の取組等があると考えられます。
また、プラットフォーム企業が提供するサービスやアプリケーションを利用するにあたり、パーソナルデータを提供することを認識しているか否かを尋ねたところ、「認識している」(「よく認識している」 と「やや認識している」の合計)と回答した割合は、米国が最も高く(85.6%)、日本は約4割(42.2%)でした。どのようなことに懸念を覚えるかを尋ねてみると、日本を含む各国で「登録した情報が意図せぬうちに、電話、訪問販売、SNS広告などに利用されてしまう」ことが最も懸念されていました。一方、日本では「特に懸念がない」とする割合が26.6%であり、他国と比べて高くなっています。

メディア利用時間
「テレビ(リアルタイム)視聴」、「テレビ(録画)視聴」、「インターネット利用」、「新聞閲読」及び「ラジオ聴取」の平均利用時間と行為者率を比較しています。2024年度の調査結果において、全年代では、平日、休日ともに、「インターネット利用」の平均利用時間が最も長く、「テレビ(リアルタイム)視聴」がこれに続いています。行為者率については、「インターネット利用」の行為者率が、平日、休日ともに「テレビ(リアルタイム)視聴」の行為者率を超過 しています。年代別にみると、休日の40代で「インターネット利用」の平均利用時間が「テレビ(リアルタイム)視聴」を初めて上回っています。行為者率については平日、休日ともに10代から50代の「インターネット利用」の行為者率が「テレビ(リアルタイム)視聴」の行為者率を超過しています。また、「新聞閲読」について、20代以降年代が上がるとともに行為者率が高くなっていますが、前回2023年度調査結果と比較すると、40代から70代の行為者率も減少又はほぼ横ばいとなっています。

メディアとしてのインターネット
「いち早く世の中のできごとや動きを知る」ために最も利用するメディアとしては、全年代では「インターネット」が最も高いです。年代別では、10代から50代では「インターネット」、60代及び70代では「テレビ」を最も利用しています。「世の中のできごとや動きについて信頼できる情報を得る」ために最も利用するメディアとしては、全年代では「テレビ」が最も高くなっています。年代別では、20代及び30代では 「インターネット」を最も利用しており、40代では「テレビ」と「インターネット」が同率、それ以外の各年代では「テレビ」を最も利用しています。「新聞」は60代及び70代では「インターネット」を上回る水準で利用しています。「趣味・娯楽に関する情報を得る」ために最も利用するメディアとしては、全年代では「インターネット」が最も高いです。年代別では、10代から60代では「インターネット」、70代では「テレビ」を最も利用しており、10代から30代で「インターネット」の割合が90%前後となっています。

テレワーク・オンライン会議
民間企業のテレワークは、2020年の新型コロナウイルス感染症の拡大後、急速に導入が進みましたが、2022年以降、減少傾向が続いています。総務省実施の令和6年通信利用動向調査によると、テレワークを導入している企業は47.3%です。
テレワーク・オンライン会議(以下、「テレワーク等」)の利用状況について、日本・米国・中国・ドイツの国民にアンケートを実施しています。テレワーク及びオンライン会議を「日常生活や仕事において積極的に活用している」と回答した割合は、日本を除く3ヵ国において、前年度比で微減していることから、オフィス回帰という社会的背景があるのではないかと推察されます。また、テレワーク等の実施が困難な理由として、日本では社内での「使いたいサービスがない」ことが36.0%と最も多く挙げられています。日本のテレワークの利用状況を年代別にみると、40歳代、20歳代、30歳代の順に高く、40歳代では32.0%でした。また、20歳代においては、「今後利用してみたい」と回答した割合が高いことから 利用意向が高いことが伺えます。一方で、「生活や仕事において、必要ない」と回答した割合は年齢層が上がるにつれて高くなり、20歳代は37.4%であったのに対して、60歳代では59.7%となっています。

行政におけるデジタル活用
電子行政サービス(電子申請、電子申告、電子届出)の利用状況について、日本では利用経験のある者が約41%であり、前回の調査時(約41%)と同程度でした。利用しない理由としては、「セキュリティへの不安」、「サービスを利用するまでの方法あるいは機器やアプリケーションの操作方法がわからない」、「使いたいサービスがない」との回答が多くありました。利用状況を年代別にみると、電子行政サービスの利用経験のある者の割合は、他の年代に比 べ60代が比較的多高くありました。

デジタル化の国際指標
国連経済社会局(UNDESA)による電子政府調査は、国連加盟国におけるICTを通じた公共政策の透明性やアカウンタビリティを向上させ、公共政策における市民参画を促す目的で実施され、2003年から始まり、2008年以降は2年に1回の間隔で行われています。この調査では、オンラインサービス指標(Online Service Index)、人的資本指標(Human Capital Index)、通信インフラ指標 (Telecommunications Infrastructure Index)の3つの指標を基に平均してEGDI(電子政府発展度指標)を出して順位を決めています。2024年の世界電子政府ランキングでは、前回調査(2022年)に引き続きデンマークが1位であり、2位がエストニア、3位がシンガポール、4位が韓国、5位がアイスランドと続きます。日本の順位は13位であり、前回調査(2022年)から1ランク向上し、スコアも前回調査より上昇しています。
早稲田大学電子政府・自治体研究所は、世界のICT先進国66か国を対象に、各国のデジタル政府推進について進捗度を主要10指標(35サブ指標)で多角的に評価する「世界デジタル政府ランキング」を、2005年から毎年公表しています。上位から1位:シンガポール、2位:英国、3位:デンマーク、4位:米国、5位:韓国となっています。3年連続で1位を保持していたデンマークは3位にランクダウンし、シンガポールが7年ぶりの1位となっています。日本は、昨年調査において調査開始から初めてトップ10圏外の11位でしたが、今年も11位のままでした。日本の少子・高齢・人口減少社会を見据え、デジタル活用による官民連携やイノベーションの推進による行財政のコスト削減や効率化、積極的且つ最適なデジタル投資が、今やるべきこととして指摘されています。

マイナンバーカード
マイナンバーカードの人口に対する保有枚数(交付枚数から死亡や有効期限切れなどにより廃止されたカードの枚数を除いた数値)は、2025年2月末時点で78.0%です。また、マイナンバーカードの健康保険証としての登録は、2025年1月末時点で、累計約8,153万枚、マイナンバーカード保有枚数に対する登録率は84.1%です。公金受取口座の登録については、2025年1月末時点で、累計登録数が約6,346万件、マイナンバーカード保有枚数に対する登録率は65.5%となっています。

地方自治体におけるデジタル化の取組
手続オンライン化の現状 「デジタル社会の実現に向けた重点計画」において地方公共団体が優先的にオンライン化を推進すべき手続の、オンライン利用実績は2022年時点で57.6%となっています。

AI
RPAの利用
AIの導入済み団体数は、2021年度時点で、都道府県・指定都市で100%となっています。その他の市区町村は、2023年度時点で50%となり、実証中、導入予定、導入検討中を含めると約72%がAIの導入に向けて取り組んでいます。機能別にみると、音声認識、文字認識及びチャットボットによる応答の3機能は、都道府県・指定都市・その他の市区町村のいずれにおいても突出して導入が進んでいます。その他の機能についても、件数は少ないもののおおむね増加傾向にあります。
また、RPA導入済み団体数は、2023年度時点で、都道府県で94%、指定都市で100%となっています。その他の市区町村は41%となり、実証中、導入予定、導入検討中を含めると約65%がRPAの導入に向けて取り組んでいます。分野別にみると、最も導入件数が多いのが「財政・会計・財務」であり、次いで「児童福祉・子育て」、「健康・医療」、「組織・職員(行政改革を含む)」が続いています。
2023年末時点で、生成AIを導入済みの団体は、都道府県で51.1%、指定都市で40.0%、その他の市区町村で9.4%でした。
(出典)総務省
https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/r07/pdf/index.html
(つづく)Y.H

-実践編・応用編

執筆者:

関連記事

インバウンド観光立国の実現2

キャリアコンサルタントが知っていると有益な情報をお伝えします。 観光立国の実現の最終回です。日本は、現在景気の低迷や少子高齢化で国内消費の拡大が難しくなっています。そこで観光に注力しインバウンド客を呼び込んで消費を促そうと考えちます。温泉、和食、侍、神社、豊かな自然など、日本には外国の海外の人に好まれるコンテンツが豊富にあります。しかし、今までアピール力が不十分でした。今、そういった部分を見直す動きが出ています。 ■急患等にも十分対応できる外国人患者受入体制の充実 外国人患者を受け入れる医療機関について、外国人患者を受け入れる医療機関について、 令和5年度に2,222(うち都道府県が指定する …

健康で安全な生活の確保

キャリアコンサルタントが知っていると有益な情報をお伝えします。 国民の多くは、健康で安全な生活をすることを願っています。一方で、大規模な自然災害が発生しても、機能不全に陥らないで復旧復興に取り組まねばなりません。また、日常生活に潜む危険(感染症等)などから身を守る対策にも万全を期す必要があります。今回は、健康で安全な生活の確保についてお話しします。 ◆健康危機管理・災害対策の推進 ■健康危機管理の取組み 厚生労働省では、医薬品、食中毒、感染症、飲料水その他何らかの原因により生じる国民の生命、健康の安全を脅かす事態に適切に対応できるよう、「厚生労働省健康危機管理基本指針」に基づき必要な体制を整備 …

新しいキャリアの見つけ方(前編)

キャリアコンサルタントの皆さんに有用な情報をお届けします。 1.はじめに 『新しいキャリアの見つけ方』は、有山徹氏が自身の経験をもとに執筆した一冊です。氏は40歳になるまでに5度の転職を経験し、その過程で「プロティアン・キャリア」という考え方と出会ったことが、大きな転機となりました。現在はプロティアン・キャリア協会の代表理事として、キャリア開発の実践支援に取り組まれています。 プロティアン・キャリアとは、これまでの経歴をすべて肯定しつつ、未来を見据えて前進しようとする姿勢に基づいたキャリア論です。変化を前提とした未来志向の考え方であり、自分自身がより幸せに、より良く生きることを目指すと同時に、 …

日本の電気通信事業政策

キャリアコンサルタントの方に有用な情報をお伝えします。 これまでの取組 1985年の通信自由化及び電気通信事業法(昭和59年法律第86号)の施行以降、これまでの40年間に多くの新規事業者が参入し、競争原理の下で、IP・デジタル化、モバイル・ブロードバンドなど様々な通信技術の進展と導入が行われ、料金の低廉化・サービスの多様化・高度化がめざましく進展してきました。これまで、総務省では、こうした電気通信サービスのイノベーションやダイナミズムを維持しながら、信頼できる電気通信サービスの提供を確保する観点から、様々な政策や制度についての不断の見直 しを行ってきています。 例えば、近年、我が国の電気通信市 …

海外進出日本企業で働く人々_スウェーデン_労働施策 2

キャリアコンサルタントが知っていると有益な情報をお伝えします。 前回に続き、スウェーデンの労働施策の2回目です。スウェーデンは、「北欧の中の日本」と言われるほど両国の国民性には幾つかの共通点があります。例えば、几帳面で真面目・シャイな我慢強い性格のところです。また、グループ内の和の尊重や謙虚さも日本人に通じるところがあります。社会保障制度が手厚い北欧諸国の中でも、スウェーデンは特に育児に対する支援が手厚く、子供の大学までの教育費や18歳までの医療費が無料で、育児休暇などの制度も充実しています。スウェーデンに進出している日系企業の拠点数は、約160社です。なお、2024年3月に北大西洋条約機構( …