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実践編・応用編

世界と日本のデータセンターとクラウドサービス

投稿日:2026年1月9日 更新日:

キャリアコンサルタントの方に有用な情報をお伝えします。

データセンター
世界各国のデータセンター数は、米国が圧倒的に多く、2025年3月時点で5,426となっています。2位以下15カ国を合計しても3,975であり、米国に集中しています。日本は222と米国の4%程度となっています。世界のデータセンター市場(売上高)は、2024年に4,161億ドルと見込まれ、2029年には6,241 億ドルまで拡大すると予測されています。そのうち、約半分がネットワークインフラに関連する機器やサービスとなっています。 日本のデータセンターサービスの市場規模(売上高)は、2023年に2兆7,361億円であり、2028年に5兆812億円に達すると見込まれています。

クラウドサービス
世界のパブリッククラウドサービスの売上高は2024年に7,733億ドル(前年比22.4%増)まで増加すると見込まれています。要因としては、ビジネスを展開する上でクラウドが不可欠なものになっていることに加え、企業の柔軟性と拡張性への志向の高まりが挙げられます。また、生成AIの基盤モデル作成や関連アプリケーションの利用が拡大していることも市場の成長を後押ししています。世界のクラウドインフラサービスへの支出額のシェアは引き続きAmazon、Microsoft、Googleの順に大きく、2024年第2四半期時点で Amazonはおよそ32%、Microsoftは23%、Googleは12%となっています。近年はMicrosoftと Googleのシェアが拡大傾向にありますが、市場は依然として、大手3社のクラウドサービスが大きなシェアを有しています。

エッジコンピューティング
世界のエッジコンピューティングの市場規模(支出額)は、2024年に2,270億ドル、2028年には3,800億ドルまで拡大すると予測されています。日本のエッジコンピューティングの市場規模(支出額)は、2025年に前年比12.9%増の1.9兆円になると推計され、2028年には2.6兆円まで拡大すると予測されています。エッジコンピューティング技術のなかでも、モバイル通信を考慮したMEC(Multi-access Edge Computing)では、クラウドとデバイスの間でやりとりするデータを、クラウドで計算処理する代わりに通信ネットワークのエッジ(デバイスの近く)にあるエッジサーバー(エッジDC)で処理する技術であり、遅延の影響を回避できると期待されています。
国内では、NTTドコモによる「docomo MEC」、KDDIによる「AWS Wavelength」、ソフ トバンクの「5G MEC」などMECサービスの活用や提供が行われています。主なユースケースとして、映像伝送や映像分析、遠隔操作・遠隔操縦、エネルギーのリアルタイム制御、XR、自動運転が挙げられます。また、エッジAIを活用したソリューション市場は、IoTとの相性も良いことから、IoT市場の広がりとともに堅調な拡大が続いています。

AIの動向
世界のAI市場規模(売上高)は、2024年には1,840億ドル、2030年には8,267億ドルまで拡大すると予測されています。日本のAIシステム市場規模(支出額)は、2024年に1兆 3,412億円(前年比56.5%増)となっており、今後も成長を続け、2029年には4兆1,873億円まで拡大すると予測されています。
また、AIの社会実装が進んでおり、文章、画像、音声、動画などをAIが生成する、いわゆる生成AI が注目されています。世界の生成AI市場は、2023年の205億ドルから、2024年には361億ドル(AI 市場全体の19.6%)、2030年には3,561億ドル(同43.1%)まで拡大すると予測されています。背景には、ChatGPTが2022年に公開されて以降、Gemini、Copilot、DeepSeekなど数多くのモデル・サービスが登場し、急速に普及が進んでいることが挙げられます。企業でもプログラミング、文章の要約、マーケティング、コールセンターやカスタマーサポート、イラストやポスター作成など様々な用途で活用が進んでおり、これまでは人手不足対策や業務効率化の目的で利用されることが多かったものの、今後は新たなサービス創出を目指した活用も進むとみられています。また、生成AI技術を活用したAI エージェントやフィジカルインテリジェンス分野の発展も市場拡大を後押しするとみられます。

各国の動向
AIに関する研究は世界各地で行われています。AIRankingsでは、論文数などを基に研究をリードする国や企業・大学等が公表されています。国別では、米国、中国、英国、ドイツの順となっており、日本は近年11~12位となっています。AI関連企業への投資も活発化しており、スタンフォード大学が公表した報告書「Artificial Intelligence Index Report 2025」によれば、2024年に新たに資金調達を受けたAI企業数は、米国 が1,073社で1位、英国が116社で2位、日本が42社で9位となっています。

サイバーセキュリティの動向
世界のサイバーセキュリティの市場(売上高)は引き続き堅調で、2024年には前年同期比9.7%増加の867億ドルとなっています。サイバーセキュリティ市場の主要事業者として、2019年からPalo Alto Networks、Cisco、Fortinetの3社が世界上位3位の市場シェアを獲得していましたが、2024年第2四半期時点ではCiscoに代わりMicrosoftが上位3位に入っています。近年はトップシェアであるPalo Alto Networksの市場シェアが拡大し、10%に迫る勢いとなっています。また、Microsoftは近年急速にシェアを拡大しており、Microsoft 365 E5 Securityなど高度なセキュリティ機能をMicrosoft 365シリーズの一つとして提供しており、導入のしやすさも含めて評価されていると考えられます。
2023年の国内の情報セキュリティ製品市場(売上高)は、前年比12.0%増の5,574億400万円となっています。セキュリティ製品の機能市場セグメント別では、エンドポイントセキュリティソフトウェアやネットワークセキュリティソフトウェアなどを含む、セキュリティソフトウェア市場の2023年の売上額が4,965億1,100万円で全体の89.1%を占め、コンテンツ管理、UTMやVPNなどを含むセキュリティアプライアンス市場は608億9,300万円で全体の10.9%となっています。
また、2022年及び2023年の国内情報セキュリティ製品のベンダー別シェア(売上額)についてみると、市場全体のシェア率が2%以上の企業を「外資系企業」と「国内企業」に分類し、それら企業における 2022年及び2023年の売上額を集計した結果、ともに外資系企業のシェアが5割程度を占めており、国内のサイバーセキュリティ製品はその多くを海外に依存している状況が引き続いているといえます。

サイバー攻撃観測
NICTが運用している大規模サイバー攻撃観測網(NICTER)のダークネット観測で確認された 2024年の総観測パケット数(約6,862億パケット)は、2015年(約632億パケット)と比較して 10.86倍となっているなど、依然多くの観測パケットが届いている状態です。また、2024年の総観測パケット数は各IPアドレスに対して約13秒に1回観測されたことに相当します。
なお、2024年は過去最高の観測数を記録しており、インターネット上を飛び交う観測パケットは2023年と比較して更に活発化している状況であるといえます。
NICTERでのサイバー攻撃関連の通信内容をみると、2023年と同様にIoT機器を狙った通信が最も多く観測され、サイバー攻撃関連通信全体の約3割を占めています。次いで、HTTP・HTTPSで使用されるポートへの攻撃が多く観測されています。
また、2024年中の不正アクセス行為の禁止等に関する法律(以下「不正アクセス禁止法」という。)の違反事件の検挙件数は563件であり、前年と比べ42件増加しました。

経済的損失
サイバーセキュリティに関する問題が引き起こす経済的損失について、様々な組織が調査・分析を公表しています。損失の範囲をどこまで捉えるかなどにより数値に幅はありますが、例えば、日本では、トレンドマイクロが2024年に実施した調査によれば、過去3年間でのサイバー攻撃の被害を経験した法人組織の累計被害額の平均が約1億7,100万円になっています。

無線LAN
無線LANの利用者のセキュリティ意識などを把握するために総務省が2024年11月に実施した意識調査によると、公衆無線LANの認知度は高い(約92%)が実際に利用している人はその半数程度にとどまっています。また、公衆無線LANを利用していない最多の理由として、6割程度が「セキュリティ上の不安がある」と回答しています。また、公衆無線LAN利用者のうち、9割弱がセキュリティ上の不安を感じており、特に情報窃取、外部からの不正侵入を不安材料に挙げる利用者が多いようです。OpenRoamingに対応した公衆Wi-Fiでは、通信の暗号化や偽の公衆Wi-Fiへの接続を防止する技術が使われており、ユーザーは安全に公衆Wi-Fiを利用することができるほか、一度OpenRoamingの利用登録をすることで、全世界のOpenRoaming対応の公衆Wi-Fiを追加設定なしで利用することができます。国内では東京や大阪をはじめとした都市圏での導入が進んでおり、対応する公衆Wi-Fiも順次拡大される予定です。
(出典)総務省
https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/r07/pdf/index.html
(つづく)Y.H

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